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外国人労働者の労働災害を防ぐ、労働衛生教育・産業保健活動のポイント

日本における外国人労働者の就労を促す改正「入管法」の施行から半年が経ち、外国人労働者の数は急増しています。それに比例して、職場では労災やメンタルヘルスの課題も上がってきています。

外国人労働者の方を病気や事故から守るための衛生教育と産業保健活動のポイントを解説します。

外国人労働者の受入れ拡大で、企業にも対策が求められている

改正された「入管法」によってさらなる増加が見込まれる外国人労働者

2018年に厚生労働省から公表された「外国人雇用状況の届出状況まとめ」によると、日本で働く外国人労働者はおよそ146万人とされています。

前年の2017年と比較すると、1年間のうちに約18万人が新たに雇用されており、過去最高の人数を記録しています。

また、外国人労働者を雇用する事業所数は、全国に約21万6千か所あり、前年より2万1千か所以上増えたことになります(こちらも過去最高を記録)。

そして、2019年4月には改正された入管法(正式名称「出入国管理及び難民認定法」)が施行されました。

改正入管法の施行によって外国人材の受け入れが拡大されました。そのため、2019年以降はさらに外国人労働者の増加が予想されています。

※出典:厚生労働省「外国人の雇用状況

外国人労働者の労働災害発生状況

外国人労働者の増加に比例して、職場における労働災害も大幅に増加しています。

外国人労働者に関する労災の発生状況を見てみると、休業4日以上の死傷者は毎年増え続けており、2018年では1年間に2,847件の労働災害が発生しています。

2013年の労災発生件数が1,292件だったことを考えると、この5年間で2倍以上の数になっているのです。

そして、今後さらに外国人労働者が増加することを考えると、職場ではより一層の労災対策や健康管理、メンタルヘルス疾患の対策に取り組んでいく必要があります。

それらを踏まえて、外国人労働者を雇用する上でおさえておきたい労働衛生教育のポイントや産業保健活動、主な相談機関などを紹介していきます。

出典:厚生労働省「外国人労働者に対する安全衛生教育には、適切な配慮をお願いします。」リーフレットより

意志疎通が難しいからこそ、徹底した安全衛生教育と産業保健活動を

安全衛生教育のルールを確認する

「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(以下「外国人雇用管理指針」といいます)では、事業主が外国人労働者の安全衛生を確保するために行うべき事項を定めています。

外国人労働者に対しても日本人スタッフと同じように労働安全衛生法が適用されます。

よって、外国人労働者にも同様の安全衛生教育を行う必要があり、その際には母国語や英語などを使用して行うことや、視聴覚教材を用いて教育することが定められています。

教材については国際研修協力機構のホームページや、労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所のホームページ上に公開されているものもありますので、有効活用していきましょう。

外国人労働者に対する健康診断・ストレスチェックの注意点

外国人雇用管理指針では、健康診断やストレスチェックの実施(※)、そして事後措置を実施することが定められており、それぞれで的確な意志の疎通ができるように注意することが定められています。

また、健康診断やストレスチェックの結果を踏まえて、人事担当者・産業医などがしっかりと外国人労働者とコミュニケーションを取り、病気や労災を未然に防ぐことが求められています。

なお、日本語が得意ではなくとも、公用語として英語を使う外国人労働者も多く存在しているため、英語が話せる産業医を選任することも効果的でしょう。

※厚生労働省には「職業性ストレス簡易調査票」の英語版が用意されています。

外国人労働者の抱える問題を解決出来る専門家を活用する

外国人雇用管理アドバイザーに相談する

外国人労働者の衛生教育や産業保健活動に行き詰まりを感じた場合には、外部の専門家に相談することも効果的です。

厚生労働省の管轄で活動する外国人雇用管理アドバイザーは、外国人労働者の雇用管理の実態・問題点を分析し、企業に改善案を提示してくれる存在です。

雇用管理アドバイザーは、近隣のハローワークで利用の申し込みをすることができ、利用料金は無料です。

英語など外国語の話せる産業医を選任する

労働者に労働衛生教育・健康管理を行う上でキーパーソンとなるのは、医療の専門職である産業医です。

日本語を使って外国人労働者とコミュニケーションがとれる場合や、外国人労働者と産業医の間に入る人事労務担当者が外国語を話すことができる場合であれば問題は無いかもしれません。

しかし、健康診断やストレスチェック後の面接指導を行う際などには、英語などの外国語を話すことができ、スムーズな意思疎通がとれる産業医が頼もしい存在になります。

産業保健サービスを提供する株式会社エムステージによれば、最近では英語を話せる産業医の紹介依頼や問合せが増えてきているそうです。


人手不足という理由だけでなく、ダイバーシティの観点からも人材の多様化が進んでいます。

外国人労働者と雇用する際は「外国語が話せる産業医」を選任のポイントとして検討することで、従業員の健康増進や労働災害の防止につながるでしょう。



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