〈2019年〉新型インフルエンザの症状・予防接種や潜伏期間について解説

2019年は例年より早くインフルエンザの流行が始まっており、昨年の同時期(10月)と比較するとおよそ8.7倍の速度で患者数が増加しています。

インフルエンザの基礎的な知識と、個人・企業で取り組む適切な予防方法を見ていきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.個人で取組む新型インフルエンザ予防・感染拡大の対策は?
    1. 1.1.〈2019年12月6日〉厚労省からインフルエンザ発生状況が公表された
    2. 1.2.新型インフルエンザ、症状の特徴と感染経路・潜伏期間を知る
    3. 1.3.新型インフルエンザの感染経路から、個人で行う予防法
  2. 2.インフルエンザの予防接種を受けない従業員にはどう対応する?
    1. 2.1.インフルエンザの予防接種はいつ受ける?
    2. 2.2.従業員がインフルエンザの予防接種を受けない場合
  3. 3.従業員を何日休ませる?企業で行うインフルエンザ対策
    1. 3.1.インフルエンザになったら何日仕事を休むべき?
    2. 3.2.新型インフルエンザの感染拡大を防ぐ職場環境の整備を

個人で取組む新型インフルエンザ予防・感染拡大の対策は?

〈2019年12月6日〉厚労省からインフルエンザ発生状況が公表された

12月6日に厚生労働省が発表したインフルエンザの発生状況によれば、2019年11月25日~12月1日の1週間で、定点医療機関から報告された患者数は27,393人でした。

定点医療機関以外も含め、この1週間に受診した患者数は約18.4 万人と推計され、前週の推計約10.6万人から大幅に増加しています。

新型インフルエンザ、症状の特徴と感染経路・潜伏期間を知る

昨年と比較して、驚異的に拡大している新型インフルエンザは、季節型インフルエンザと症状も異なります。

以下のような症状があれば、新型インフルエンザの可能性があります。

  • 突然の高熱(38℃以上)
  • 咳(せき)、呼吸困難
  • 咽頭通(のどの痛み)
  • 倦怠感(身体のだるさ)
  • 鼻水、鼻づまり
  • 頭痛
  • 嘔吐、下痢

このように、新型インフルエンザ症状は季節型インフルエンザと似ていますが、季節型インフルエンザに比べて消化器の症状(嘔吐・下痢など)が多いようです。

また「新型」とはいえ、主な感染経路は季節型インフルエンザと同じ「咳」「くしゃみ」による飛沫感染です。

くしゃみや咳で排出されたウイルスの付着した物に触れ、そのウイルスが目・口・鼻などの粘膜を通して感染が拡大します。

なお、潜伏期間は1~2日といわれており、潜伏期間中から身体のだるさなどを感じることが多いようです。

出典:厚生労働省「新型インフルエンザに関するQ&A

新型インフルエンザの感染経路から、個人で行う予防法

新型インフルエンザが感染拡大してしまう理由のひとつとして、多くの人が新型のインフルエンザに対する免疫を持っていないとことが挙げられます。

新型インフルエンザの有効的な予防手段の一つとして、毎年インフルエンザワクチンの接種を受けることが挙げられます。

特に、65歳以上の方はインフルエンザが重症化しやすいといわれていますので、医師とよく相談した上で、ワクチンの接種が推奨されています。

また、個人で日常的に取組むインフルエンザ対策としては、外出時にマスクを着用する(感染拡大を防ぐ)ことや、帰宅時に適切な「手洗い」「うがい」が挙げられます。

予防接種を受けることと、感染経路に気を付けることがインフルエンザ予防の基本的な取組みになります。

※適切な手洗いの方法は厚生労働省の特設ページ「マメに正しい手の洗い方」でご覧になれます。

インフルエンザの予防接種を受けない従業員にはどう対応する?

インフルエンザの予防接種はいつ受ける?

新型インフルエンザの対策として挙げられるのが、「毎年」予防接種を受けることです。

予防接種を毎年受けることが望ましいとされいる理由は、その年に流行が予想されるインフルエンザの型に対して有効なワクチンを製造することにあります。

そういった理由から「去年に予防接種をしたから今年はしなくてもいいや」ということにはならないのです。

また、例年であれば、流行が本格化するシーズンを見越して、12月中旬までに受けることが一般的でしたが、今年(2019年)はすでに流行が始まっていますので、なるべく早い時期に予防接種を受けると効果が期待できます。

従業員がインフルエンザの予防接種を受けない場合

インフルエンザの予防接種には副反応があります。また、保険が適用外(自己負担)となりますので、予防接種を受けたがらない方もいるでしょう。

副反応には個人差がありますが、接種した箇所の腫れや、発熱、頭痛、寒気、倦怠感などが2~3日程度続くことが挙げられます。

しかし、インフルエンザの予防接種には効果があり、予防接種を受けなかった人と比較した際、約6割(※)の人が発病を防ぐことができていますので、その効用を従業員に説明して、予防接種を促すとよいでしょう。

そして、接種にかかる費用については、企業で負担するケースも増えてきています。

※出典:厚生労働省「インフルエンザQ&A

従業員を何日休ませる?企業で行うインフルエンザ対策

インフルエンザになったら何日仕事を休むべき?

医療機関を受診し、インフルエンザと診断された場合には療養する必要があります。

一般的にインフルエンザを発症してから 3~7 日間はウイルスを排出すると言われているため、完治するまでは可能な限り出社は控えるべきとされています(※)。

また、倦怠感や寒気を感じるときは集中力の低下の原因にもなるため、職種によって労災や事故の危険性もあります。

排泄されるウイルス量は解熱とともに減少していきますが、排出される期間には個人差があるため、咳・くしゃみなどの症状がある場合には、職場へ配慮することも大切でしょう。

学校保健法では「解熱した後 2 日を経過するまで」を出席停止期間としていますので、参考にされてみてはいかがでしょうか(病状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認めたときはこの限りではありません)。

※出典:厚生労働省「インフルエンザ Q&A

新型インフルエンザの感染拡大を防ぐ職場環境の整備を

インフルエンザは職場内でも感染拡大の恐れがあるため、従業員個人だけでなく企業としても取組む姿勢が大切です。

厚生労働省で公表している「事業者・職場における新型インフルエンザ対策」には、以下の取組みを行うことが有効的とされています(抜粋)。

・危機管理体制の整備:経営責任者が率先して体制を整備。その際は人事労務担当者だけでなく、広報や現場の責任者、産業医もメンバーに入れることが望ましい。

・情報の収集と共有体制の整備:国内外のインフルエンザに関する情報を収集し、社内で共有します。また、職場でインフルエンザ感染者が出た時のため、従業員との連絡方法や社内での周知方法なども整備すること。

※出典:厚生労働省「事業者・職場における新型インフルエンザ対策

その他、加湿器で室内の湿度を適切にする(湿度50~60%)、手指の消毒液を配置することが挙げられます。

衛生委員会ではインフルエンザをテーマに取り上げ、産業医に衛生講話をしてもらうことも効果が期待できます。


職場でも感染拡大の恐れがあるインフルエンザは、企業活動にとって大きな脅威となります。

社内の実情と照らし合わせた上で、適切な対策をしていきましょう。


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