【クイズ】10問でチェック!風疹の理解度
※この記事は2019年8月に加筆しています。
2018年8月以降、関東を中心に全国で風疹の患者報告が急増しています。
風疹は、風疹ウイルスによって起こる感染症です。
国立感染症研究所は、2019年の風疹患者の累積報告数が2,000人を超えたと発表しました。
風疹患者の増加は、昨年の2,917人を上回るペースです。
風疹の感染が拡大すると、どのようなことが問題になるのでしょうか。また、どのように感染を防げばいいのでしょうか。
10問のクイズで理解度をチェックしましょう。
1. 風疹の潜伏期間は?
A. 1~2週間
B. 2~3週間
C. 3~4週間
正解はB.2~3週間
風疹ウイルスは主に飛沫(唾液のしぶき)で感染します。症状は発疹、発熱、リンパ節の腫れなど。発疹が出る1週間程度前から発疹が出た1週間程度後までの患者には感染力があると考えられています。一度かかると、大部分の人は免疫ができ、その後風疹にかかることはありません。
2.妊婦が風疹にかかることで起こる可能性がある先天性風疹症候群とは?
A. 妊婦に難聴や心疾患、白内障、精神や身体の症状が現れる可能性があり、これらの障害を指す。
B. 胎児に感染し、胎児が発熱することを指す
C. 胎児に感染し、難聴や心疾患、白内障、精神や身体の障害のある赤ちゃんが生まれる可能性があり、これらの障害を指す
正解はC. 胎児に感染し、難聴や心疾患、白内障、精神や身体の障害のある赤ちゃんが生まれる可能性があり、これらの障害を指す
特に妊娠初期の女性が風疹にかかると、胎児がウイルスに感染し、障害のある赤ちゃんが生まれる可能性があります。
3.先天性風疹症候群は、妊婦が妊娠中に予防接種を受けることで防ぐことができる?
A. 妊娠中に風疹の予防接種を受けて、先天性風疹症候群を防ぐことはできる
B. 妊娠中は、風疹の予防接種を受けられない
C. そもそも風疹や先天性風疹症候群は予防接種では防げない
正解はB. 妊娠中は、風疹の予防接種を受けられない
風疹は、予防接種で風疹ウイルスに対する免疫を得ることができ、予防が可能です。ただし、妊娠中は風疹の予防接種を受けることはできません。妊娠を希望する人で免疫がない人は、妊娠前に接種しましょう。
妊娠の予定がない人や男性も無関係ではありません。自分が風疹に感染していることに気づかないまま、妊婦に風疹を移してしまうことがあります。免疫がない場合は、自分や周囲の人、次の世代の子供たちを守るためにも予防接種を受けましょう。
4.子どもの場合、風疹の定期予防接種の時期は?
A. 1歳児と、小学校入学前1年間の幼児(計2回)
B. 1歳児と、3歳児(計2回)
C. 小学校入学前1年間の幼児(1回)
正解はA. 1歳児と、小学校入学前1年間の幼児(計2回)
2005年度までは、定期の予防接種として生後12カ月から90カ月未満に1回接種されていましたが、2006年度から麻疹(ましん)と共に2回接種制度が導入されました。接種されるのは、麻疹風疹混合(MR)ワクチンです。1歳と小学校入学前1年間は、公費負担で、通常は無料または若干の自己負担のみで接種できます。
5.近年、風疹の感染者で多い属性は?
A. 成人男性
B. 成人女性
C. 集団生活に入る1~4歳と小学校低学年
正解はA. 成人男性
2012~2013年の大規模な全国での流行の際は、2年間で1万6千人超の患者が発生し、そのうち約90%が成人でした。また、男性患者は女性患者の約3倍に上りました。2018年は、10月14日までの報告患者1289人のうち96%が成人。男性は1062人、女性は227人と、男性が女性の5倍となっています。
6.2019年の報告患者(6月5日現在)のうち、男性で最も多い年代は?
A. 20~30代
B. 30~40代
C. 40~50代
正解はB. 30~40代
2019年の報告患者のうち、男性で最も多い年代は30~40代で、男性全体の59%を占めます。女性の感染報告で最も多い年代は妊娠出産年齢である20~30代で、女性全体の64%です(6月5日現在)。
2016年度の感染症流行予測調査によると、30代後半から50代の男性の5人に一人、20代から30代前半の10人に一人は風疹の免疫を持っていませんでした。
7.風疹ワクチンは2回受けた方がいいとされています。風疹ワクチンの定期予防接種を一度も受けていない年齢の集団は?
A. 39歳6カ月以上の男性と56歳6カ月以上の女性
B. 54歳6カ月以上の男性と41歳6カ月以上の女性
C. 39歳6カ月以上の男女
正解はA. 39歳6カ月以上の男性と56歳6カ月以上の女性
39歳6カ月以上、56歳6カ月未満の女性は中学生の時に学校で風疹ワクチンの集団接種を1回していますが、男性には予防接種がされていない時代がありました。しかし、女性のみの予防接種では、世の中全体を風疹から十分に守ることができないことから、1995年から男女ともに接種が始まりました。
また、28歳6カ月以上、39歳6カ月未満の男女は幼児期や中学生の時に個別接種を1回していますが、28歳6カ月未満の世代は2回個別接種しています。(2018年10月1日現在)
8.過去の風疹感染や予防接種歴がわからず、免疫を持っているかわからない場合は、予防接種前の抗体検査は必須?
A. すでに免疫を持っている人が再度接種を受けると副反応が起きるため、抗体検査は必須
B. すでに免疫を持っている人が再度接種を受けても副反応などの問題はないため、時間のない場合などは必ずしも抗体検査は必要ない
正解はB. すでに免疫を持っている人が再度接種を受けても副反応などの問題はないため、時間のない場合などは必ずしも抗体検査は必要ない
抗体検査を受けて、十分高い抗体価があることが確認された場合は、予防接種を受ける必要はありません。抗体価は血液検査でわかります。しかし、すでに免疫を持っていた人が、再度予防接種を受けても特別な副反応はありません。もし予防接種を2回受けたことがない人は、麻疹予防の観点からも麻疹風疹混合ワクチンを接種することをお勧めします。
9.風疹の免疫の有無を確認する抗体検査は無料?(2019年8月現在)
A. 日本全国で無料で受けられる
B. 自治体によっては無料で受けられる
C. すべて有料
正解はB. 自治体によっては無料で受けられる
多くの自治体は、妊娠を希望する女性と妊婦の同居家族を対象に抗体検査を無料で受けることのできる事業を行っています。また厚生労働省が、2019年度、感染リスクの高い30~50代の男性を対象として抗体検査費用を補助する方針を固めたことが報じられました。
10.2019年の感染者の職業で最も多いのは?
A. 会社員
B. 医療関係者
C. 教育関係者
正解はA. 会社員
2019年1月から届け出表に職業記載欄が追加されました。会社員と記載されていた人が597人と最も多く、特に配慮が必要な職種として、医療関係者は22人、保育士は11人、消防士は7人が報告されました(6月5日現在)。
参考)
国立感染症研究所 感染症疫学センター 風疹流行に関する緊急情報:2018年10月17日現在
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