健康診断ってどんな種類があるの?費用は?実施前のよくある疑問を解説!


人事・労務担当者の年中行事のひとつ、健康診断の手配と実施。初めて担当になった方は、戸惑うことも多いのではないでしょうか。

今回は、そんな初心者の方も安心して実務に取り組んでいただけるよう、実施前のチェックポイントについて解説します!まずは健康診断を実施する準備をはじめましょう!

<特集>はじめてでも、すぐわかる。産業保健の基礎を学ぼう!

STEP1.健康診断の実施  ← 今はここ 
STEP2.ストレスチェックの実施
STEP3.安全衛生委員会の立ち上げ
STEP4.産業医の選任


この記事で学ぶ内容

健康診断の種類

誰が対象か

いつ実施するのか

検査項目は?

健康診断の実施は義務なのか?

健康診断を拒否する社員への対応は

健康診断の費用負担は企業?労働者?

健康診断の種類


健康診断には大きく分けて特殊健康診断一般健康診断があります。

特殊健康診断とは

法定の有害業務に従事する労働者が受ける健康診断です。労働安全衛生法で特殊健康診断を実施しなければならないとされている業務は、次の通りです。

[1]高気圧業務

[2]放射線業務

[3]特定化学物質業務

[4]石綿業務

[5]鉛業務

[6]四アルキル鉛業務

[7]有機溶剤業務


一般健康診断とは

職種に関係なく行う健康診断です。

雇入時の健康診断

定期健康診断

③特定業務従事者の健康診断

④海外派遣労働者の健康診断

⑤給食従業員の検便

があります。


今回は、この一般健康診断のうち、「①雇入時の健康診断」と「②定期健康診断」について解説します。


誰が対象か


①雇入時の健康診断

対象は「常時使用する労働者です。「常時使用する労働者」の条件は「1年以上使用する予定で、週の労働時間が正社員の4分の3以上」である者です。ですので、必ずしも正社員に限られず、一定の条件を満たしたパートやアルバイトでも該当する場合があります。

これらの条件を満たさなかったとしても、週の労働時間が正社員の2分の1以上のときは努力義務となります。(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律

なお、派遣労働者の一般健康診断は、労働者の派遣元で実施します。


②定期健康診断

雇入時の健康診断と同じで、常時使用する労働者」が対象になります。ただし、下記にある特定業務従事者を除く者になります。

イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務

ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務

ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務

ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務

ホ 異常気圧下における業務

ヘ さく岩機、鋲打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務

ト 重量物の取扱い等重激な業務

チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務

リ 坑内における業務

ヌ 深夜業を含む業務

ル 水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務

ヲ 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに 準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務

ワ 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務

カ その他厚生労働大臣が定める業務

これら特定業務に就く者は「特定業務従事者の健康診断」の実施となります。


いつ実施するのか

①雇入時の健康診断

雇入れの直前または直後に実施します。入社前であっても、健診の実施は可能です。また、本人が入社前3ヵ月以内に医師の健診を受けていて、その結果を会社に提出したときは、雇入れ時健診を省略できます。ただし、本人が提出する診断書が必須の健診項目をカバーしている場合に限ります。


②定期健康診断

1年以内ごとに1回実施します。


検査項目は?

①雇入時の健康診断

検査項目は以下の通りです。

1 既往歴及び業務歴の調査

2 自覚症状及び他覚症状の有無の検査

3 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査

4 胸部エックス線検査

5 血圧の測定

6 貧血検査(血色素量及び赤血球数)

7 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)

8 血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロール、血清トリグリセライド)

9 血糖検査

10 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)

11 心電図検査


②定期健康診断

定期健康診断の健診項目は、雇い入れ時の健康診断とほぼ同じで、次の通りです。

1 既往歴及び業務歴の調査

2 自覚症状及び他覚症状の有無の検査

3 身長(※)、体重、腹囲(※)、視力及び聴力の検査

4 胸部エックス線検査(※) 及び喀痰検査(※)

5 血圧の測定

6 貧血検査(血色素量及び赤血球数)(※)

7 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)(※)

8 血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロー

ル、血清トリグリセライド)(※)

9 血糖検査(※)

10 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)

11 心電図検査(※)

※がついている項目は、年齢による省略と、基準に基づく医師の判断による省略ができます。

雇入時の健康診断との違いは、雇い入れ時の健康診断では「4.胸部エックス線検査」となっているところが、定期健康診断では「4.胸部エックス線検査および喀痰検査」と変わります。

「4.胸部エックス線検査および喀痰検査」についても、喀痰検査を省略していることが多いようです。


>> 検査結果は誰が見られるのか?については「健康診断<実施編>」で解説しています。


健康診断の実施は義務なのか?

企業側(事業者)に義務があります。企業は、労働安全衛生法第66条に基づき、労働者に対して、医師による健康診断を実施しなければなりません。この義務に違反した企業は、50万円以下の罰金が課せられます。

また、労働者は、企業が行う健康診断を受けなければなりません。


健康診断を拒否する社員への対応は

労働安全衛生法は、労働者の受診義務違反に対する罰則は設けていませんが、企業は労働者に対して健康診断の受診を職務上の命令として命じることができ、受診拒否する社員に対しては、懲戒処分をもって対処することもできます

>> 再検査の受診は義務なのか?については「健康診断<実施編>」で解説しています。


健康診断の費用負担は企業?労働者?

企業に健康診断の実施が義務付けられているものなので、健康診断の費用は企業が負担すべきものとされています

>> 「健康診断の間の"賃金"は支払われるのか?」については、「健康診断<実施編>」の記事で解説しています。


お役立ちリンク集

健康診断を実施する上で参考になる、公的機関のリンク集を「人事のお役立ち資料」まとめています。ぜひこちらもご覧ください。


まとめ

ではここで、学んだことをおさらいしてみましょう!

\ここがポイント!/

・健康診断の実施は、企業に義務がある

企業は、健康診断の受診を職務上の命令として命じることができる

・健康診断の費用は企業負担

・健康診断には大きく分けて一般健康診断特殊健康診断がある

・一般健康診断とは、職種に関係なく行う健康診断

雇入時の健康診断定期健康診断は一般健康診断に含まれる

・雇入時の健康診断の対象は「常時使用する労働者

・「常時使用する労働者」は、一定の条件を満たしたパートやアルバイトでも該当する場合がある

・雇入時の健康診断は雇入れの直前または直後に実施する

・定期健康診断の対象も「常時使用する労働者

・定期健康診断は1年以内ごとに1回実施する

・定期健康診断の検査項目は雇入時の健康診断とほぼ同じだが、ある項目では基準に基づき省略が可能


確認しよう!学び度チェック

【問題】健康診断を拒否する社員に対して、会社はどのような対応をとれるか?


A.    何もできない

B.    職務上の命令として命じることができる

C.    来年の健康診断で代替できる




正解は…「B」!

企業は労働者に対して健康診断の受診を職務上の命令として命じることができ、受診拒否する社員に対しては、懲戒処分をもって対処することもできます。


続けて読みたい

▼この記事は「健康診断」の準備編です。実施編は以下よりどうぞ。


健康診断後に会社がすべきフォローとは?実施後のチェックポイント


<特集>はじめてでも、すぐわかる。産業保健の基礎を学ぼう!



産業医をお探しなら
無料・資料請求はこちら
   ☎ 03-6697-1660   (受付時間 平日9:00~18:00)

サンポナビは、企業の産業保健(さんぎょうほけん)を応援するメディアです。
産業医サポートサービスを提供する、株式会社エムステージが運営しています。
産業医の選任、休職復職対応などでお困りの際は、お気軽にご相談ください

 運営会社 

御社とベストマッチの産業医をお探しなら


週間ランキング
新着記事一覧

新着をキャッチ

お気軽にお問い合わせください
無料・資料請求はこちら
  ☎ 03-6697-1660   
(受付時間 平日9:00~18:00)