産業医がいない事業場で、健康診断にどう対応する?

従業員が50人以上の事業場には産業医の選任義務があります。

全国に拠点がある企業では、本社では産業医を選任していても、従業員50人未満の小規模支社では義務がないために選任していないこともあります。小規模支社で、産業医を必要とするタイミングの一つが健康診断です。本社でしか産業医を選任していない場合、どのように対応すればいいのでしょうか。確認してみましょう。

目次[非表示]

  1. 健康診断での異常所見。意見聴取は産業医がベスト
  2. 産業医がいない事業場での医師からの意見聴取、3つの対応法
  3. 選任義務のない事業場には、産業医の単発アルバイト対応もおすすめ


健康診断での異常所見。意見聴取は産業医がベスト

企業が労働者に健康診断を実施することは、労働安全衛生法で義務付けられています。

健康診断の結果、異常の所見があると判断された労働者については、医師等の意見を聞かなければなりません。また、意見の聴取は、速やかに行うことが望ましいです。


それでは、意見を聞く「医師等」とは、どんな人を指すのでしょうか。

厚生労働省の「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」では、「産業医の選任義務のある事業場においては、産業医から意見を聴くことが適当である」とされています。なぜなら、産業医は労働者それぞれの健康状態や作業内容、作業環境についてより詳細に把握しうる立場にあるからです。

なお、産業医の選任義務のない事業場は、「労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師等から意見を聴くことが適当」としています。つまり、選任義務のない場合でも、産業医がより適任と言えます。

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産業医がいない事業場での医師からの意見聴取、3つの対応法

全国に拠点がある企業の場合、本社では産業医を選任していても、従業員50人未満の小規模支社では義務がないために選任をしていないことは珍しくありません。

産業医を選任していない小規模支社で、健康診断の結果、異常の所見があると判断された労働者がいた場合、医師の意見聴取はどうすればいいのでしょうか。


主な対応としては、

①本社で選任している産業医と、支社での対応も含めた契約を結ぶ

②産業医に単発アルバイトとして依頼する

③産業保健総合支援センター地域窓口(地域産業保健センター)を活用する

などが挙げられます。

③の地域産業保健センターは、独立行政法人労働者健康安全機構が運営しており、労働者数50人未満の小規模事業者やそこで働く人を対象に、労働安全衛生法で定められた産業保健サービスを無料で提供しています。

しかし、地域によっては、企業全体で従業員50人未満の事業所が優先され、大企業の支社などは、本社などで選任している産業医の協力を得られるように言われることもあります。その場合、①や②の対応を検討することになります。

選任義務のない事業場には、産業医の単発アルバイト対応もおすすめ

本社で選任している産業医と、支社での対応も含めた契約を結ぶメリットは、本社で対応を一本化でき、管理がしやすいということです。

可能であれば本社で産業医を選任したり、変更したりするタイミングで、支社も含めた対応ができる産業医を探し、契約内容に盛り込むとスムーズです。

ただ、本社ですでに産業医を選任している企業は多いでしょう。その場合は、支社まで対応が可能かどうかを産業医に相談しましょう。可能ということであれば、報酬も含めて再度条件を確認して、契約を結び直します。


しかし、業務量や報酬の面から、本社で選任している産業医の業務範囲を広げることが難しいケースもあります。そのときは、ほかの産業医、産業医が見つからない場合は医師に単発アルバイトとして依頼することをお勧めします。


アルバイトができる産業医の探し方としては、

・人材紹介会社に紹介してもらう

・地域の医師会に相談する

・健診機関に紹介してもらう

などが考えられます。

株式会社エムステージは全国7拠点で産業医紹介サービスを展開しており、業界トップクラスである10,000人以上の産業医に登録をいただいています。

支社も含めた産業保健対応ができる本社選任の産業医や、アルバイトで健康診断後の意見聴取ができる医師をお探しの場合は、ぜひ株式会社エムステージにお問い合わせください。


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サンポナビ編集部

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