〈2023年版〉産業医の選任時に必要な書類の記入例と届出方法を解説

(最終更新日:2023年3月22日)

産業医を新たに選任あるいは、交代したりする場合は「産業医選任報告」を労働基準監督署に提出する必要があります。

「産業医選任報告」の手続きが対象となるのは、常時50人以上の労働者を使用する事業者です。

本記事では、産業医選任報告書の記入例や届出(申請方法)について紹介しています。

目次[非表示]

  1. 1.「産業医選任報告」の入手方法と作成の仕方
    1. 1.1.「産業医選任報告書」を厚生労働省HPよりダウンロードする
    2. 1.2.「産業医選任報告書」は厚労省HPでも作成可能
  2. 2.「産業医選任報告書」に必要な項目と記入例
    1. 2.1.産業医選任報告書の項目と記入例
  3. 3.事業の種類や特定業務について確認しよう
    1. 3.1.事業の種類
    2. 3.2.特定業務に携わる労働者数
    3. 3.3.産業医の医籍番号等
  4. 4.「産業医選任報告書」の記入例
  5. 5.医師免許証のコピーと、産業医証明書類を添付しよう
    1. 5.1.産業医の選任届に必要な書類


「産業医選任報告」の入手方法と作成の仕方


「産業医選任報告書」を厚生労働省HPよりダウンロードする

産業医選任の届出に必要な書類の一つは「産業医選任報告書」です。

産業医選任報告書は厚生労働省のホームページにて入手することができ、その内容は統括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者の選任報告と同じ様式となっています。

総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告

厚生労働省は提出された届について、機械で読み取りを行っているため、印刷に使用する用紙は、白色度80%以上の用紙を使うことを求めています。また、印刷した用紙をさらにコピーしたものは提出しないようにしましょう。


「産業医選任報告書」は厚労省HPでも作成可能

厚生労働省が2019年に開始した「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」では、上記の「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告」をはじめ、産業保健に関する各種の書類が厚労省のホームページ上で作成できるようになりました。

このほか「定期健康診断結果報告書」などのフォーマットも用意されており、とても有効なツールとなっています。

なお、厚労省の提供しているこのサービスは、報告書の作成支援を目的としていますので、オンラインでの申請まではできません。

申請の際には入力した報告書を出力(印刷)し、所轄の労働基準監督署への届出が必要となります。


「産業医選任報告書」に必要な項目と記入例


産業医選任報告書の項目と記入例

では、実際の様式に記入していく方法を解説していきます。

「産業医選任報告書」を印刷したら、必要事項を記入します。記入は黒のボールペンを使用し、濁音や半濁音は「ガ」など同一の枠に入れましょう。

産業医選任報告書の項目は以下のようになっています。

  • 労働保険番号
  • 事業場の名称
  • 事業場の所在地(郵便番号、住所)
  • 事業の種類(日本標準産業分類「中分類」※1)
  • 電話番号(番号は―(ダッシュ)で区切ります)
  • 労働者数
  • ・特定業務(※2)に携わる労働者数
  • ・産業医情報(氏名、ふりがな、生年月日、選任年月日)
  • ・選任種別(「安全管理者」や「衛生管理者」などの選択肢の中から「産業医」を選ぶ)
  • ・専属の別
  • ・専属の別(専属産業医なら「専属」、それ以外は「非専属」)
  • ※常時1000人以上の労働者の場合や、有害業務の従事者が500人以上の場合は「専属」
  • ・専任の別(選任する産業医が、産業医のみの仕事をしている場合は「専任」、病院勤務などほかの仕事もしていれば「兼職」)
  • ・産業医の医籍番号等(種別:別表※3、医師免許証にある医籍番号)
  • ・産業医交代の場合は、前任産業医の情報(氏名、ふりがな、辞任、解任の年月日)
  • ・参考事項: 産業医の専門科名。産業医が開業している場合はその旨を記入。また、初めて産業医を選任した場合は「新規選任」と書く。

※1、2、3については次に説明します。


事業の種類や特定業務について確認しよう

産業医選任報告に記入する内容のうち、

・事業の種類(日本標準産業分類「中分類」※1)

・特定業務(※2)に携わる労働者数

・産業医の医籍番号等(種別:別表※3、医師免許証にある医籍番号)

について説明します。


事業の種類

まず、事業の種類は、日本標準産業分類「中分類」に沿って記入します。

総務省のページで、日本標準産業分類の大分類を確認し、自分の事業所が該当する大分類をクリックします。その大分類に含まれる中分類が示されていますので、該当するものを用紙に記入しましょう。

例:【大分類】情報通信業 >【中分類】情報サービス業


特定業務に携わる労働者数

特定業務は以下の業務です。

イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務

ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務

ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務

ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務

ホ 異常気圧下における業務

ヘ さく岩機、鋲打機等の使用によって、身体に著しい振動を与える業務

ト 重量物の取扱い等重激な業務

チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務

リ 坑内における業務

ヌ 深夜業を含む業務

ル 水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務

ヲ 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務

ワ 病原体によって汚染のおそれが著しい業務

カ その他厚生労働大臣が定める業務

事業者は、事業場の規模に応じて産業医を選任し、労働者の健康管理を行わせる必要があります。

(1)労働者数 50 人以上 3,000 人以下の規模の事業場 ・・・ 1名以上選任

(2)労働者数 3,001 人以上の規模の事業場 ・・・ 2名以上選任


ただし、常時 1,000 人以上の労働者を使用する事業場と、特定業務に常時 500人以上の労働者を従事させる事業場では、その事業場に専属産業医を選任しなければなりません。

この決まりがあるため、産業医選任届に、労働者の人数と特定業務に従事する労働者の人数を記入させるのです。


産業医の医籍番号等

産業医の医籍番号等の項目について、「種別」は下の別表に従って、該当する番号を記入してください。これは、産業医が何によって、産業医の資格を取得したかということです。例えば、日本医師会や産業医科大の研修を修了した場合は1、産業医科大学卒業者は2になります。

医籍番号については、医師免許証に書かれている医籍番号を記入してください。


「産業医選任報告書」の記入例

ここまで確認が出来たところで、実際の記入例を見ていきましょう。

「事業の種類」や産業医の「医籍番号」を記入する箇所を確認し、はじめての産業医選任であれば「参考事項」の項目を記入することも必要となります。

「産業医選任報告書」の記入例については、各地の労働局や産業保健総合支援センターのホームページ上で詳細を確認することができますので、参考にしてみてください。

出典:奈良産業保健総合支援センター「安全衛生ハンドブック


医師免許証のコピーと、産業医証明書類を添付しよう

産業医の選任届に必要な書類

産業医選任を届けるためには、選任報告のほか、以下の2点を添付する必要があります。

・産業医の医師免許証のコピー

・産業医が別表1~7のいずれかに該当することを証明する書面、またはコピー


産業医選任届と必要書類は、労働基準監督署長に提出します。

書面で提出する場合は、提出先窓口に提出するほか、郵送することもできます。また、電子申請も受け付けています。電子政府の総合窓口e-Gov(イーガブ)


産業医の選任報告の書き方は、労働基準監督署によって異なる場合があります。

特にはじめて選任報告を提出する場合は、事前に労働基準監督署に書き方や必要書類について確認することをおすすめします。

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サンポナビ編集部

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