社労士が語る「休職・復職」の実務に対応するためのポイント
産業医サポートサービスを提供している株式会社エムステージは、「職場のメンタルヘルス対応と産業保健~休職・復職対応の実際~」をテーマにセミナーを開催しました。講師は社会保険労務士の舘野聡子さん。
企業の人事労務担当の方をはじめ、多くの方が参加されました。
セミナーの流れをレポートします。(取材:サンポナビ編集部)
メンタルヘルス休職に対応するための体制づくりとは?
舘野さんは、まず働き方改革関連法の「産業医・産業保健機能の強化」「労働者の健康情報の取扱いの適正化」を中心に、企業における産業医の役割とその重要性を解説しました。
企業にとって最も大切なことは、メンタルヘルス不調による休職者を出さない職場づくり。
しかし、結果として休職が発生してしまった場合、企業には従業員が復職するまでのフォローが求められます。
人事部門だけで対応するのではなく、主治医、産業医との円滑な連携や、そのベースとなる就業規則などの社内体制づくりが重要だと説明しました。
休職期間や職場復帰までのフォローはどうする?
続いて、休職から復職へ向けたプロセスについて、それぞれの過程でキーとなる「主治医」「産業医」「人事担当者」の立場・役割をその段階ごとにわかりやすく解説。
また、主治医の作成した診断書の取扱い、産業医面談の設定と意見書の作成、休職期間の設定、職場での具体的な対応などといった課題について、解決するためのポイントを話しました。
休職・復職に対応できる就業規則になっていますか?
休職・復職の条件や、休職中の待遇などはトラブルの原因になることが多いため、事前に就業規則に盛り込んでおくことが重要です。
舘野さんは実際に企業で起きた事例を挙げて、就業規則の見直しの要点について解説しました。
参加者の方々によるグループワークもあり、休職・復職事例ごとに会社の適切な対応についてディスカッションしました。
休職者を出さない体制づくりと発生後の対応が重要
企業にとってメンタルヘルスによる休職は、訴訟リスクや企業評価、人材の流出といった問題にもつながる大きなテーマです。
今回のセミナーで重要だと感じたのは、休職を未然に防ぐ「体制づくり」と、発生してしまった際の「対応」。
それぞれのタイミングで企業に問われる「こんな時はどうする?」といった疑問に答える情報が盛りだくさんのセミナーでした。
また、アンケートにご協力いただいた方たちからは、「事例を通してリスクとその回避方法を具体的に知ることが出来た」「就業規則や社内ルールを整えた上で休職者へ対応することの大切さを知った」「指針やテキストなどにはない細やかさで、具体的なノウハウやポイントを学ぶことが出来た」といった感想をいただきました。
同様のセミナーは今後も開催予定
セミナーの最後には舘野さんへの質疑応答の時間も設けられていますので、従業員の休職・復職対応にお悩みの人事・労務ご担当者は、参加されてみてはいかがでしょうか。
参加者の方には舘野さんが監修した「私傷病による休職・復職 就業規則チェックリスト」をお渡ししています。
〈セミナーのご案内〉
「職場のメンタルヘルス対応と産業保健〜休職・復職対応の実際〜」(講師:舘野聡子)
・9月10日:福岡会場のセミナー詳細を確認する
参加費は無料です。30名限定(先着のため締め切りあり)
※お陰様で開催終了いたしました。
舘野 聡子(たての・さとこ)
株式会社ISOCIA 代表取締役/特定社会保険労務士/シニア産業カウンセラー/キャリアコンサルタント/メンタルヘルス法務主任者
民間企業に勤務後、社労士事務所に勤務。その後「ハラスメント対策」中心のコンサル会社にて電話相談および問題解決のためのコンサルティング、研修業務に従事。産業医業務を行う企業で、予防のためのメンタルヘルス対策とメンタル疾患の人へのカウンセリングに従事。2015年に社労士として独立開業、株式会社エムステージでは産業医紹介事業の立ち上げにかかわる。
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