ストレスチェック後の面接指導について、よくある10の疑問


2015年よりスタートしたストレスチェック制度。ストレスチェックの結果、高ストレスで面接指導が必要であると判断された場合は、医師(推奨:産業医)による面接指導を行います。

いざ面接指導の対象者が発生したときに慌てないように、事前に内容を把握しておきましょう。

ストレスチェック後の面接指導について、よくある10の疑問にお答えします!


<目次>

1.面接指導の対象者は誰?

2.誰が面接指導をするの?

3.高ストレス者と選定される基準は?

4.面接指導は必ず実施するの?

5.面接指導の際に会社が準備しておくものは?

6.面接指導はいつ、どこで行うのが望ましい?

7.面接指導の実施内容は?

8.面接指導の結果は誰に共有されるの?

9.面接指導後に会社がとるべき対応は?

10.産業医の勧告には、必ず従わなければいけないの?


Q1 面接指導の対象者は誰?


面談指導の対象者は、以下の条件を満たした者になります。

①     医師に高ストレス者と判断され

②     医師との面接指導を希望する労働者


本人が面接指導を希望しない場合は、実施はされません。

注意点として、労働者が面接の申し出を行った場合、ストレスチェック結果の事業者への提供に同意がなされたものとみなします。その旨を労働者が知らなかった場合、事後にトラブルになる可能性もありますので、周知させるとともに、面接実施前にも確認をとりましょう。


Q2 誰が面接指導をするの?



労働安全衛生法の第66条では、面接指導の実施者は医師と規定されています。ただし、厚生労働省の「ストレスチェック制度実施マニュアル」の中では、その職場環境をよく理解している専属・嘱託の産業医を面接指導の実施者とすることが推奨されています。

外部に委託する場合でも、より面接指導についての理解がある、産業医資格を有する医師に依頼することが望ましいとされています。


Q3 高ストレス者と選定される基準は?


一般的に、ストレスチェックの結果、以下の1、2に該当する労働者を高ストレス者として選定します。

  1. 「心身のストレス反応」に関する項目の評価点の合計が高い者    
  2. 「心身のストレス反応」に関する項目の評価点の合計が一定以上であり、かつ「仕事のストレス要因」及び「周囲のサポート」に関する項目の評価点の合計が著しく高い者  

誰を高ストレス者とするかという基準は、衛生委員会による調査審議を経て、事業者が評価基準を定めます。

一例として、厚生労働省の評価基準では事業場全体の10%が高ストレス者になるよう基準を設定していますが、事業場の状況に応じて適切な基準に変更することが可能になっています。

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Q4 面接指導は必ず実施するの?


高ストレス者と判断された労働者がストレスチェックに基づく面接指導を希望した場合、会社は面接を受けさせる義務が発生します。

受験した労働者は、ストレスチェックの結果が通知されてから概ね1か月以内に面接指導の申し出を行い、申し出を受けた事業者は1か月以内に面接指導を行うこととされています。


Q5 面接指導の際に会社が準備しておくものは?


1.面接指導時に必要な情報


面接指導の際に医師が参考にする情報として、厚生労働省の「労働安全衛生法に基づく ストレスチェック制度 実施マニュアル」では以下の項目が挙げられています。

  • 対象となる労働者の個人情報(氏名、年齢、所属する事業場名、部署、役職)
  • ストレスチェックの結果
  • ストレスチェック実施前1か月の労働時間・労働日数・業務内容
  • 定期健康診断やその他の健康診断の結果
  • ストレスチェック実施時期が繁忙期だったか、閑散期だったかの情報
  • 職場巡視による職場環境に関する情報


2. 報告書・意見書を記入する用紙


事業者は、面談を実施した医師から面接指導の記録を提出してもらい、5年間保存する義務があります。そのため、事前に報告書・意見書用の用紙を準備しておくとスムーズです。

報告書・意見書には、実施年月日、当該労働者の氏名、医師の氏名の記載を含む、面接の結果を記録する必要があります。厚生労働省が報告書・意見書の様式例を公表していますので、参考にしてみてください。

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Q6 面接指導はいつ、どこで行うのが望ましい?


面接指導は、一般の健康診断と同様に原則として就業時間内に行います。複数日時を設定するなど、曜日や時間帯を柔軟にして労働者が受けやすい実施日時の設定が推奨されています。

もし面接指導を時間外で実施する場合は、費用や賃金は会社が負担するほうが望ましいとされています。

実施場所は、周囲の目を気にすることがない、秘密が厳守されるような場所にしましょう。


Q7 面接指導の実施内容は?


面接指導では、医師は以下の4点を確認します。

  1. ストレスチェックの3項目
    仕事のストレス要因、心身のストレス反応、周囲のサポート

  2. 当該労働者の勤務の情報
    事業者があらかじめ提供するもので、労働時間や業務内容等がこれにあたります。

  3.  心理的な負担の状況
    ストレスチェック結果をもとに抑うつ症状(気分の低下)等についての把握をします。

  4. その他心身の状況の確認
    過去の健診結果や現在の生活状況の確認をします。


以上を確認したのち、医師は以下の項目において、該当労働者に対して医学上の指導を行います。

  • 保健指導
    ストレスへの対処技術を指導、また、労働者がストレスに気づき、予防や対処できるよう支援します。

  • 受診指導
    必要に応じて専門機関を紹介し、受診を促します。



Q8 面接指導の結果は誰に共有されるの?


面接指導の結果は、繊細な労働者の健康情報を扱うため、情報のすべてを無制限に共有することは禁止されています。

参考として、厚生労働省の「労働安全衛生法に基づく ストレスチェック制度 実施マニュアル」では、面接指導の結果は人事労務部門内のみで保有し、そのうち就業上の措置など職務遂行上必要な情報に限定して、該当労働者の上司に報告するという方法が紹介されています。


Q9 面接指導後に会社がとるべき対応は?


会社は、医師からの意見書を参考に、勤務場所の移動や労働時間の短縮、休職等の就業上の措置をとるかどうかを決定します。

また、面接指導に使用する、健康診断による診断名や検査値、面接指導による具体的な愁訴の内容などの生データは、情報が外に漏れないよう適切な状態で保管します。

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Q10 産業医の勧告には、必ず従わなければいけないの?


産業医の勧告は、あくまで専門家による助言なので、法的な強制力はありません。

しかし、会社が勧告を無視し、措置を怠ったことが原因で従業員の病状が悪化し、長期入院、死亡などになってしまった場合は、安全配慮義務違反を理由として損害賠償を請求される可能性が生じます。


安全配慮義務とは、労働契約法第5条で定められている、会社が「従業員が安全・健康に働くことができるように配慮する義務」のことで、ストレスチェック制度が義務化される前から、劣悪な環境での労働や違法な長時間労働を理由として企業が訴えられる事例が複数存在 しています。


以上、ストレスチェック後の面接指導について、よくある10の疑問についてお答えしました。

厚生労働省が発表している実施マニュアルも参考に、いざ面接指導の対象者が発生したときに慌てないように準備しておきましょう。


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