流行語・死語で読み解くニッポンの働き方 第5回 〜2010年代・本気で働き方改革時代〜


​​​​​​​流行語、死語で日本の働き方の変遷を学ぶ連載。5回目となる今回は「2010年代本気で働き方改革時代」です。

ワーキングマザー、副業解禁、リモートワーク…、多様な働き方を認める動きが、国や企業で起こり始めています。少なくはない犠牲を払いながら、わたしたちは今の時代に合った働き方を見つけ、実践し、そして次の時代につなげようとしています。人生100年時代これからの働き方とは?

平成生まれのRちゃんと、昭和世代のミスターJが本音で語ります。

この記事は連載の第5回目です。

【第1回】1980年代前半・モーレツ企業戦士が24時間戦っていた時代 

【第2回】1980年代後半・働いたら報われたバブル時代

【第3回】1990年代・バブル崩壊失われた20年

【第4回】2000年代・過労死対策はじめ

【第5回】2010年代:本気で働き方改革時代


<登場人物プロフィール>

ミスターJ:1958年生まれ(60歳)。私立大学を卒業後1980年広告代理店入社。現在個人事務所を経営。結婚3回、趣味はゴルフ。


Rちゃん:1990年生まれ(27歳)。美容系、飲食系など職を転々としつつ将来のために闇雲に資格を集めている。趣味は心霊スポットめぐり。


ゆとり社員新登場!

Rちゃん:

お待たせしました、2010年!わたしの時代!

ちなみに2010年代ってこんな時代

2010年:はやぶさ (探査機)が地球へ帰還。「イクメン」「〜なう」「LED電球」

2011年:東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)。地デジ完全移行。「スマホ」

2012年:東京スカイツリー開業。「終活」「iPS細胞」「ワイルドだろぉ」

2013年:NHK連続テレビ小説「あまちゃん」ブーム。「今でしょ!」「お・も・て・な・し」「ブラック企業」

2014年:「笑っていいとも!」放送終了。消費税が8%に増税。「アナと雪の女王」

2015年:マイナンバー制度スタート。「一億総活躍社会」「ドローン」

2016年:SMAP解散騒動。「保育園落ちた日本死ね」「PPAP」「AI(人工知能)」

2017年:プレミアムフライデー初実施。「インスタ映え」「忖度」「ドクターX ~外科医・大門未知子~」


ミスターJ:

モーレツ企業戦士、バブル、過労死…働く日本人の紆余曲折を振り返ってきて、ついに現代。Rちゃんの時代だね。

Rちゃんの働く意義をまず聞かせてもらおうかな


Rちゃん:

意義?ちょっと重いんだけど…。

うちは両親が共働きだし、大学卒業したら“とりま”働くよね、って感じかな。

働かないという選択肢もなければ、ぜったいこの会社入りたい!とかもない。

通勤ラッシュは避けたいし、一つの会社に縛られるのも嫌。どうせ働くなら社会に役に立つことがいいかな、ぐらいな感じかな。


ミスターJ:

うん、今どきな要素がたくさん入ってる…(笑)

会社に縛られたくない、視野を広げたい。その傾向は強く出ているよね。


副業解禁とか、フリーランスの増加とか。

モーレツに働いてきた親世代が、失われた20年を生き、それでも会社のために苦労して働く。

それを目の当たりにしてきた今の若い人たちは会社への忠誠心帰属意識もあまりないだろうね


Rちゃんの少し上の“ゆとり世代”が“ゆとり社員”となって社会に出て、先輩たちはとても苦労したようだよ。オレも一生懸命説明した後で「その話あとでメールしてください」って言われことあったっけ(笑)

(企業戦士 × ゆとり社員)


ブラック企業とは何か。

Rちゃん:

一方で「ブラック企業」が問題になったのも最近だよね。


ミスターJ:

言葉としては最近のイメージだけど、ブラック体質の企業が増えたのはバブル崩壊後失われた20年の間なんだよ。コスト削減が最重要課題となった企業と過労死が出るほど働き詰めた従業員の話は前回したとおり。


「ブラック企業」の定義は明確にはなくて、厚生労働省の見解によると、その特徴として

①   労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
②   賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
③   このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

とある。


ハラスメントについては最近ではニュースでも毎日のように耳にするよね。セクハラ、パワハラ、マタハラ…。

平成29年版過労死等防止対策白書」によると、全国の総合労働相談コーナーへの「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は年々増加していて、その中でも職場での「いじめ・嫌がらせ」に関する相談受付件数は、平成28年度で全体の22.8%を占め、相談内容として堂々の1位らしい。


Rちゃん:

企業側の対策もしっかりしてほしいね。


ミスターJ:

そうだね。「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる」というのが健康経営の考え方。日本では2009年ごろから大企業を中心に取り組みがはじまった。

従業員のメンタルヘルスの不調も経営に悪影響を及ぼすから、経営者はしっかりと彼らの健康管理しなければならない。だからハラスメントについても窓口を設けるなど取り組んでいるんだよ。


フリーランスの増加・働き方の多様化

Rちゃん:

企業に属さないフリーランスが増えているのはどういう背景?

帰属意識がなくなったとか、ブラック企業から飛び出したとか…?


ミスターJ:

いろいろな背景があるけれど、社会のインフラが整い始めたというところが大きいんじゃないかと思う。クラウドソーシングやクラウドサービスが広がって、自由な働き方の後押しになった

それから、ワーキングマザーが増えたことも大きいね。

時間などの制約で思うように働けない、待機児童問題で働けなくなった女性が、スキルを活かしたりすきま時間を使って働くようになった。他にも会社員の早期退職制度、地方移住制度など、世の中の仕組みとフリーランスという働き方がマッチするってことかな


Rちゃん:

働き方のひとつとして魅力的だと思う!


ミスターJ:

そうだね、大事なことは選択できるってこと。働き方改革で、働き方の選択肢がどんどん増えることに期待。大手銀行が副業を解禁するくらいだから、どんどん進化すると思うよ。


(企業戦士の働き方も多様化してきた…)

Rちゃん:

この対談を通して、たった30年間のあいだで働き方が変わってきたこと会社と個人の関係が少しずつ変化していることを学んだな

モーレツ時代に生まれていたらモーレツに働いていたかもしれないし、30年後は今よりもっと働きやすい社会になっているかもしれない。今の時代に働くことについて、ちゃんと考えてみようと思う。

自分がどんな働き方をしたいのか選べる時代に生まれたからこそちゃんと選べるようにならないとね


ミスターJ:

いいね人生100年時代、自分もまだまだ現役だから、改めてこれからのキャリアを考えていかないとな!


(次回、番外編に続きます!)


イラスト/とりのささみ。 (@torinosashimi)  ・ 文/ふるたゆうこ


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▼この記事は「流行語・死語で読み解くニッポンの働き方」の第5回です。これまではこちら。


【第1回】1980年代前半・モーレツ企業戦士が24時間戦っていた時代 



【第2回】1980年代後半・働いたら報われたバブル時代



【第3回】1990年代・バブル崩壊失われた20年



【第4回】2000年代・過労死対策はじめ

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