健康診断ってほんとに必要? 【Dr.ともよ連載 第2回】


産業保健の現場で奮闘する産業医の“本音”がわかる駆け出し産業医ともよDr.による連載。
2回目の今回は、知っているようで知らない健康診断の活用法についてです。

この記事は第2回です。

【第1回】こんにちは!駆け出し産業医ともよです。

【第2回】健康診断ってほんとに必要?

【第3回】産業医との面談って、どんな話をしてるの?


第2回 健康診断ってほんとに必要?

こんにちは!産業医ともよです。

そろそろ秋の健康診断、という方も多いのではないでしょうか。みなさん、そもそも健康診断って何のために受けていますか??

私の勤務する会社でも「健康診断って毎年受けて意味があるの?」そんな声を聞くことがあります。

今回は、そんな方にこそ読んでいただきたい!産業医からのメッセージです。


健康診断は誰の義務?

健康診断は誰の義務なのでしょうか?
人事担当者の皆様は、「会社の義務」とご存知の方もいらっしゃるでしょうか。

そう、会社に対しては健康診断の実施、事後措置の履行、結果の通知義務等があることが 労働安全衛生法で定められています。ということは、健康診断をやっておけばOK,ではなく、正しく結果を通知し、必要な方には事後措置を講じるところも義務であるということですね。


正しく健康診断を利用することで、就業前、就業中の健康状態を把握し、健康管理に用いることができます。例えば、高血圧のコントロールが不十分で一過性意識障害の発症のおそれが考えられる人には運転業務や高所作業をさせない、単独での作業をさせない、などの制限をかけることがあるのですが、このように健康診断のマイナス結果と業務との関連性を見つけ、業務の適正配置などにより健康に仕事が続けられるようにしたりすることで健康障害を予防することができます。

また、社員の高齢化が進む企業も多い中、毎年の健康診断の機会を利用して継続的に長い目での健康増進を図ることで、長く健康に働いてもらうことができます。

あなたの会社は、健康診断の受診率は100%を達成していますか?健康診断の結果が戻ってくる時期に、改めて社員が健康に意識を向けられるような教育機会を持ってみてはいかがでしょうか。


一方で、「健康診断は会社がやってくれるから大丈夫」と思っていませんか?労働者のあなたにも、健康診断を受診する義務、そして自らの健康を保持する努力義務、が労働安全衛生法で定められているんですよ!

年に1度の健康診断、受けて終わり、ではなく、ちょっと立ち止まって見直してみましょう。



健康診断は、2次予防

「予防」を1次予防、2次予防、3次予防という段階に分ける考え方があります。

1次予防は生活習慣の改善などの健康増進と、予防接種などの疾病の発症予防、2次予防は疾患の早期発見・早期治療、そして3次予防は治療からのリハビリテーションと再発予防です。

最近は0次予防という概念も提唱されています。0次予防とは個人の健康増進を図る前に、その個人が生活する環境を改善するという考え方で、職場の環境改善もここになります。


では健康診断はどうでしょう?健康診断はそのなかで2次予防にあたります。

2次予防は疾患の早期発見・早期治療でしたね。健康診断を受けることで、自覚症状のない疾患や、疾病のリスクの高さも早期発見することができます。健康診断はその意味で、とっても有効なんです。


ところが、その健康診断、戻ってきた結果用紙をほおっておくだけでは…当然ながら病気は発見できませんし、治りません。また、残念ながら健康診断がすべての病気を発見してくれるわけではありません。「要再検査」という結果は、健康診断の数値だけではそれ以上の情報がなく、対策が必要な病気が隠れている可能性があるということです。再検査して問題ないことも多いと感じるかもしれませんが、検査せずに「よくわからないけど大丈夫だろう」と決めつけるのではなく、貴重な機会を有効に活用して、健康に役立てていただきたいと思います。


だけど、「この数値みても結局どうなのかわからないんですよね…」「受診するように前回も書いてあったけど受診はしてないんですよね…」という声を面談で聞くことの多いこと多いこと。せっかくの機会を逃していては、本当にもったいない。

じゃあどうしたらいいんでしょう??



迷ったら、産業医にも相談してみてくださいね

まずは、判定コメントを読むこと、そして読んだら従うことです。読み方がよくわかんないな~と思ったら、気軽に産業医に尋ねてもいいですし、わからないなりに、コメント通りに受診して、今後の対応を決め安心しましょう。

また、月経など不意の場合もありますが、寝不足や前日の飲酒を避けるなど検査時の体調を少し気に留めるだけで、より正しい受け方で検査を受けることができ、正しい結果が得やすくなります。


もう少し上級編は、1回の数値に一喜一憂せず、数値経時的変化を見ることです。正常範囲ではあっても、年々じわじわと数値が悪化している項目…ありませんか?こちらも、一時的に心配してそのままになってしまうなら、健診後の結果が新鮮なうちに、受診が必要なタイミングを産業医に尋ねるのもいいですよね。

すでに持病があり、定期的に主治医に診てもらっている方には、健診結果の用紙自体を持っていって見てもらい、心配な項目について相談したり、主治医の専門外ならどこを受診するといいか紹介してらったりするのもおすすめです。

一度病院に行ってしまうと薬を出されて一生飲み続けないといけないかもしれない…という不安から、数値が正常範囲を超えていても受診しないまま、テレビやネットで見た情報や口コミをもとに信憑性の低い対策で粘られていたりする方も少なくないです…大切なのは、健康で長く働けること。お薬の力を借りるのは、悪いことではないと思います。


また、見逃されがちなのが視力。視力検査の結果が徐々に落ちていても、オフィスなど遠方を見る機会の少ない仕事では不便が自覚しにくいこともありますし、ピント調節機能の低下(いわゆる老眼など)に気づかないまま、疲れ目としてあきらめている場合もあるかもしれません。健康診断のデータ、眼鏡の度数の再確認にもぜひ利用してくださいね。


このように様々述べてみましたが、たかが健康診断、されど健康診断。結果判定の1枚の用紙の活かし方がたくさんあります。健康診断をきっかけに、ぜひご自身の心身の健康を見直してみていただけたら幸いです。


医師プロフィール:Dr.ともよ

国立大学医学部卒業後、地元で初期研修を終え、その後眼科医としてのキャリアをスタート。眼科専門医取得後結婚し、現在3歳と1歳の2児の母。昨年から主に事務サービス系の事業所で嘱託産業医として勤務中。中学から研修医時代まで演劇に関わり、観劇が大好き。

つづけて読みたい

▼この記事は「Dr.ともよの駆け出し産業医の目」の第2回です。第1回はこちらからどうぞ。

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