企業は50人を越えるとやらなければいけないことが増える…。でも、自分の会社が大きくなるのはちょっと嬉しい。

「祝・従業員50羽、目指せ100羽！」と決意を新たにする会社があった。ーーその会社の名は、ねぎま産業株式会社。

健康経営を頑張りたい、だけどちょっとずれている。そんな働くトリたちの奮闘記。

今回のテーマは「産業医」。いったいどんなトリなのか…？

第12回　企業にはびこる名ばかり産業医

​​​​​​​

従業員が50羽を超え、弊社もついに産業医を選任することに。

なんとか見つけて選任届を出したはいいものの、産業医が訪問に来ない。

しかもなぜか連絡が取れず音信不通に…。

「新入社員の歓迎会もかねて飲み会に行くか！」と焼き鳥屋に繰り出すと、

そこにはうちわ片手に忙しそうに焼き鳥を焼く産業医の姿が。

というか、本業が焼き鳥屋ってどゆこと？脱サラならぬ脱ドクター？

（しかもねぎま産業の世界で焼き鳥屋って、ちょっとグレーゾーンじゃない！？）

こんな産業医でこれから大丈夫なのか？

まず、産業医はお願いだから仕事してください。

にわとりからのお願いだぞ☆

今日の人事労務キーワード：産業医

そもそも、産業医って？

産業医とは、企業において従業員が健康で快適な作業環境のもとで仕事が行えるよう、専門的立場から指導・助言を行う医師のことです。労働安全衛生法により、従業員が50人以上の事業場で産業医の選任が義務付けられています。

産業医は主治医とは異なり、診断や治療は行いません。また、産業医は労働者の健康確保のために必要があれば、事業者に対して労働者の健康管理等について勧告を行うことができます。

産業医と主治医の違い、産業医が行う主な業務については、「産業医の仕事って具体的に何？主な10個の仕事内容」の記事で詳しく解説しています。

産業医の勧告で職場環境よくならないかな。

産業医の探し方・選任の手続き

産業医の探し方は、①医師人材紹介会社を活用する②地域の医師会に相談する③健康診断を実施している健診機関に紹介してもらう④社員の人脈で探すなどの方法があります。

産業医を選任したら、産業医選任報告書を管轄の労働基準監督署に提出する必要があります。その際、選任報告書と合わせて①医師免許証のコピー②産業医認定証のコピーを提出します。

弊社の産業医はどうやって探したんだろう？

名ばかり産業医

医師と直接契約をする場合に、企業は業務内容を決めないまま契約し産業医に任せきりにしてしまう、産業医も病院の勤務で忙しいので実務をしないという関係になってしまうことがあります。

そのような背景から、労基署への選任届に名前を書くだけで、職場への訪問や法定業務を行わない「名ばかり産業医」が横行していました。特に、平成28年労働安全衛生調査*1では50～100名規模の事業所の20.7％が「訪問回数は年0回」と回答しています。

産業医を選任していない・法定業務を実施していない場合、違反企業として企業名が公開される他、労働安全衛生法により最大50万円の罰金があります。

このようなトラブルを防ぐため、選任の際は①依頼する業務内容をあらかじめ決める②信頼できる産業医を選ぶことを意識するとよいでしょう。

*1 平成28年労働安全衛生調査(2016)「産業医（非常勤）の事業所への訪問回数階級別事業所割合（事業所規模50人以上）」

焼き鳥の味は確かなんだが…

産業医については、「産業医を選任しよう＜準備編＞」の記事でも詳しく解説していますので、チェックしてみてください。

（by サンポナビ編集部）

マンガ作者プロフィール：とりのささみ。

イラストレーター、デザイナー。

地方から上京しブラック企業に入社、転職に失敗して仕方なくフリーランスをやっている内になんだか楽しくなり、今に至る。ブラックジョークをオブラートに包むイラストが得意。

とりのささみ。 (@torinosashimi) | Twitter  

＜つづけて読みたい＞

▼この記事は「健康経営マンガ：ねぎま産業（株）」の第12回です。

第11回　再検査受けてる？

第13回　終わらない衛生委員会…

▼これまでのシリーズはこちら
健康経営マンガ：ねぎま産業（株）

＜あわせて読みたい＞

産業医「名義貸し」のリスク、知っていますか？