ストレス対策で注目される「コーピング」とは?効果を高める実践のポイント

最終更新日:2021年4月14日

近年、企業におけるメンタルヘルス対策は特に重要性を増しています。

ストレス対策として注目される「コーピング」とはどのようなものでしょうか。

本記事では、企業においてコーピングが重要視されている理由や、コーピングを効果的な取組にするためのポイントを紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.ストレス対策で注目されている「コーピング」とは
    1. 1.1.コーピングとは「ストレスへの対処法」~代表的な2種類~
      1. 1.1.1.●問題焦点コーピング
      2. 1.1.2.●情動焦点コーピング
  2. 2.企業におけるコーピングの重要性と、実践する際のポイント
    1. 2.1.企業におけるストレスのリスクとコーピングの重要性
    2. 2.2.コーピングを実践する際のポイントは「一人で行わない」こと
  3. 3.ストレスチェックの活用でコーピングを効果的な取組にする
    1. 3.1.コーピングに取り組むためには、ストレスチェックの活用を
    2. 3.2.ストレスチェックでプレゼンティーズムを測定し、より効果的なコーピングを


ストレス対策で注目されている「コーピング」とは

コーピングとは「ストレスへの対処法」~代表的な2種類~

「コーピング」とは、ストレッサー(ストレスの要因)による問題を解決しようとする努力や対処法のことです。

代表的なコーピングには「問題焦点コーピング」と「情動焦点コーピング」の2種類があります。

この2種類について端的に紹介すると、問題焦点コーピングは「(人間関係がストレッサーの場合)相手に働きかけて問題を解決するコーピング」であり、情動焦点コーピングは「自分の感じ方・考え方を変えて対処するコーピング」ということになります。

ストレスの要因である相手側において変化が可能な場合には「問題焦点コーピング」の対処が適切とされており、反対に、相手側に変化を求めることが難しい場合には「情動焦点コーピング」の対処が適切だとされています。


●問題焦点コーピング

ストレッサーそのものに働きかけて、ストレッサー自体を変化させて解決を図ろうとするコーピング

〈問題焦点コーピングの例〉

・対人関係がストレッサーである場合:ストレッサーの要因である相手の人物に直接働きかけて問題に対処する 等

・職場環境がストレッサーである場合:オフィスの明るさが適切でない場合は照明を改善する等、職場環境を改善し対処する 


●情動焦点コーピング

ストレッサーそのものに働きかけるコーピングではなく、ストレッサーに対する考え方や感じ方を変えようとするコーピング

〈情動焦点コーピングの例〉

・対人関係がストレッサーである場合:自分の考え方や感じ方を変え、対人関係の問題に対処する、個人的に気分転換することでストレスを緩和する 等

出典:厚生労働省「e-ヘルスネット 健康用語辞典」



企業におけるコーピングの重要性と、実践する際のポイント

企業におけるストレスのリスクとコーピングの重要性

過度なストレスは心身に影響を及ぼすことはよく知られています。

2015年にスタートしたストレスチェック制度や、健康経営の潮流など、企業におけるストレス対策としてメンタルヘルスマネジメントやコーピングの重要性が注目されてきました。

その理由は「高ストレス状態」の従業員を放置することや、適切なストレス対策・コーピングを行わなかった場合、従業員のメンタルヘルス不調による休職・離職リスクにつながるおそれがあるからです。

また、従業員が休職・離職になってしまうことは、企業経営にとって損失が大きく、場合によっては従業員からの訴訟・紛争問題にまで発展してしまうケースもあります。

従業員のメンタルヘルス不調が原因で、企業のイメージダウンにもつながってしまうことが無いよう、適切なストレス対策としてコーピングを行うことが重要になるのです。


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コーピングを実践する際のポイントは「一人で行わない」こと

コーピングの種類と適した方法については前述しましたが、コーピングを行う際のポイントは「一人で行わないこと」です。

ストレスを抱える当事者が一人でコーピングに取り組むことは、さらなるメンタルヘルス不調の原因になりますので、必ず「信頼できる周囲の人」の協力を得るようにしましょう。

コーピングにおける「信頼できる周囲の人」とは、同僚や上司・人事担当者・産業医などといった人物のことを指します。

例として、人間関係にストレスを感じている場合には、同僚・上司をはじめ、人事担当者、社内窓口の担当者へ相談しましょう。

そして、ストレスによりメンタルヘルスの不調を感じている場合には、産業医や産業保健師・心理カウンセラー等の専門家、あるいは外部機関へ相談する方法があります。


ストレスチェックの活用でコーピングを効果的な取組にする

コーピングに取り組むためには、ストレスチェックの活用を

適切なコーピングを行うために、まずストレスチェックをしっかり実施し、従業員個人が自分のストレス状況に気づくこと。そして、企業は職場のストレス状況を把握することが重要です。

実際に、厚生労働省の調査(※)によれば「現在の自分の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合」は58.0%と、働く人の多くが仕事にストレスを感じています。

一方で、ストレスチェック実施後に集団分析結果を活用し、改善に向けた対応を行わなかった企業は全体の24.9%(同調査)と、ストレスチェックを「やりっぱなし」にしてしまう企業も存在しているのです。

※出典:厚生労働省「平成30年 労働安全衛生調査」


ストレスチェックでプレゼンティーズムを測定し、より効果的なコーピングを

また、より効果的なコーピングを行うためには、ストレスチェック実施の際「プレゼンティーズム(出社しているにもかかわらず、心身の健康上の問題でパフォーマンスが落ちている状態)」を測定することも大切です。

そのためにも、プレゼンティーズムが測定できるストレスチェック調査票やストレスチェックシステムを活用しましょう。

とはいえ、ストレスチェック後に適切な指示・指導が無ければ、従業員個人や管理職それぞれでコーピングに取り組んでもらうことはなかなか難しいことが考えられます。

そこで、近年ではプレゼンティーズムが測定可能であり、各個人にとって最適なコーピングの方法が示されるストレスチェックシステムが大きな注目を浴びています。

ストレスチェックシステムについては以下の関連記事で紹介していますので、確認しておきましょう。

■ストレスチェックシステム関する記事■

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