定期健康診断結果の取り扱い方法と保存期間は?

企業が労働者のために健康診断を実施することは義務となっています。

労働者が健康な状態で働けるように、企業は労働者の健康状態を把握し、その結果を踏まえて健康管理を適切に行うことが求められています。

特に、定期健康診断は、1年に1回実施しなければなりません。定期健診の場合、労働者の健康に関する情報はどのように取り扱い、何年間保存すればいいのでしょうか。確認してみましょう

定期健診は、職種に関係なく、1年に1回実施することが義務

企業は、労働者のために健康診断を実施することが法律により定められています。企業が実施しなければならない健康診断にはどのような種類があるのでしょうか。

大きく分けると、職種に関係なく、常時雇用する労働者を対象とした「一般健康診断」と、有害な業務に従事する労働者に対する「特殊健康診断」や「じん肺健診」などがあります。

健康診断の種類と対象

健康診断の種類と対象

厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署資料より

「一般健康診断」に含まれる定期健診は、安全衛生法第44条に定められていて、1年に1回実施しなければなりません。

定期健診の法で定められた診断項目は11

定期健診の法で定められた診断項目(法定項目)は以下の11項目になります。

1、既往歴及び業務歴の調査

2、自覚症状及び他覚症状の有無の検査

3、身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査

4、胸部エックス線検査及び喀痰検査

5、血圧の測定

6、 貧血検査(血色素量及び赤血球数)

7、 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)

8、 血中脂質検査( LDLコレステロール、 HDLコレステロール、血清トリグリセライド)

9、 血糖検査

10、 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)

11、 心電図検査

定期健診の場合、労働者それぞれのこれらの情報が企業に提出されることになります。

また、2018年4月から、8. 血中脂質検査、9. 血糖検査、10. 尿検査等については、項目は変わりませんが、取り扱いが変更になりました。

変更点は以下の通りです。

8. 血中脂質検査について

LDLコレステロールの評価方法が示されました。 LDLコレステロールの評価方法として、フリードワルド式によって総コレステロールから求める方法、又はLDLコレステロール直接測定法によることが示されました。

9. 血糖検査について

空腹時又は随時血糖の検査を必須とし、HbA1c のみの検査は認められません。

10. 尿検査について

医師が必要と認めた場合には、「血清クレアチニン検査」の追加が望まれます。

産業保健スタッフ以外は必要最小限の健康情報の取り扱いを

「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」には、「個人情報の保護に関する法律の趣旨を踏まえ、健康診断の結果等の個々の労働者の健康に関する個人情報(健康情報)については、特にその適正な取扱いの確保を図る必要がある」と記されています。

それでは、企業は健康情報をどのように取り扱わなくてはならないのでしょうか。

まず企業は、健康診断を実施したら、健康診断を受けた労働者に対して、遅滞なくその結果を通知しなければなりません。労働者が自分の健康状態を把握し、自主的に健康管理が行えるようにすることが目的です。

また、健康診断の結果について産業医の意見を聞き、就業上の措置が必要と判断された場合は、健康情報の取り扱いに注意しましょう。

健康情報を産業医などの産業保健業務従事者以外の従業員が取り扱う場合、就業上の措置を実施する上で必要最小限のものとなるようにする必要があります。健康情報の内容を適切に加工した上で提供するなどして、診断名、検査値など加工前の情報や詳細な医学的情報は取り扱わせないようにします。

健診結果の記録の保存


企業は、健康診断結果の記録を保存しなければなりません。保存にあたっては、労働者の同意が必要です。方法としては、書面か電磁データによる保存になります。定期健康診断の場合、保存期間は5年間です。

また、二次健康診断の結果については、事業者に保存は義務付けられてはいませんが、継続的に健康管理を行うことができるよう、「保存することが望ましい」とされています。

では、派遣労働者の場合は、健康情報は派遣元と派遣先のどちらが労働者の健康情報に責任を持つのでしょうか。

定期健診など一般健康診断に関する健康情報については、派遣元事業者の責任において取り扱います。派遣元事業者は、派遣労働者の同意を得ずに、健康情報を派遣先事業者に提供してはいけませんので気を付けましょう。

定期健診での、労働者の健康情報の取り扱い方法や保存期間はご理解いただけましたか?

毎年実施する定期健診ですので、情報の取り扱いは慎重にかつ適切に行いましょう。

産業医に関するお悩みは ありませんか?

産業医を選任したい、見直したい、企業の産業保健活動に悩みがある……。産業保健のお困りごとは、株式会社エムステージの産業医サポートサービスが解決します。

関連記事


企業の健康をサポートする「保健師」とは?役割・産業医との違いを解説

企業で働く保健師は「産業保健師」と呼ばれ、健康経営のキーパーソンとして注目を集めています。では、産業保健師の役割や専門性とはどのようなものでしょうか?また、産業医との役割の違いは何でしょうか?産業保健師の役割や重要性について紹介いたします。

産業医がいない事業場で、健康診断にどう対応する?

全国に拠点がある企業では、本社では産業医を選任していても、小規模支社では義務がないために選任していないこともあります。小規模支社で、産業医を必要とするタイミングの一つが健康診断です。本社でしか産業医を選任していない場合、どのように対応すればいいのでしょうか。

健康診断ってどんな種類があるの?費用は?実施前のよくある疑問を解説!

健康診断の内容、対象者、費用についてなど、会社の健康診断を実施する際の「よくある疑問」を解説します。


開催予定のセミナー

人気記事ランキング


ダウンロードランキング