【健康診断結果】会社での保管方法は?保存期間や注意点を解説

従業員に対し健康診断を実施することは、企業にとって義務です。

また、従業員の方が健康な状態で働けるように、企業は働く人健康状態を把握し、その結果を踏まえて適切に健康管理を行うことが求められています。

本記事では定期健診の保管方法や注意点などのポイントについてまとめています。人事などの担当者の方は確認しておきましょう。

目次[非表示]

  1. 1.定期健康診断の基本的な義務・ルール・実施項目
    1. 1.1.定期健康診断は職種に関係なく、1年に1回実施することが企業の義務
      1. 1.1.1.※労働安全衛生規則第44条(定期健康診断)
    2. 1.2.定期健康診断、法で定められた11項目
  2. 2.健康診断結果の取扱いに関する注意点
    1. 2.1.産業保健スタッフ以外は必要最小限の健康情報の取り扱いを
    2. 2.2.健診結果の記録の保存・保管は5年間

定期健康診断の基本的な義務・ルール・実施項目

定期健康診断は職種に関係なく、1年に1回実施することが企業の義務

企業は従業員に対して年に1回、定期的に健康診断を受けさせる義務があり、これはどのようなであっても同じく、労働安全衛生規則第44条に定められています。

定期健康診断と同じくよく聞く言葉に「一般健康診断」というものがありますが、一般健康診断は健診の種類の一つであり、定期健康診断はその中に含まれます。

一般健康診断のほかにも、有害な業務に従事する労働者に対する「特殊健康診断」や「じん肺健診」などの種類があるのです。

また、一般健康診断の中にも「定期健康診断」をはじめ「雇入時の健康診断」「特定業務従事者の健康診断」といったように、いくつかの種類が存在しますので、以下の表で確認しておきましょう。

▼一般健康診断の種類・対象者・実施時期

健康診断の種類
対象となる労働者
実施時期
雇入時の健康診断(安衛則第43条)
常時使用する労働者
雇入れの際
定期健康診断(安衛則第44条)
常時使用する労働者(次項の特定業務従事者を除く)
1年以内ごとに1回
特定業務従事者の健康診断(安衛則第45条)
労働安全衛生規則第13条第1項第2号(※1)に掲げる業務に常時従事する労働者
左記業務への配置替えの際、6月以内ごとに1回
海外派遣労働者の健康診断(安衛則第45条の2)
海外に6ヶ月以上派遣する労働者
海外に6月以上派遣する際、帰国後国内業務に就かせる際
給食従業員の検便(安衛則第47条)
事業に附属する食堂または炊事場における給食の業務に従事する労働者
雇入れの際、配置替えの際

出典:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署資料


※労働安全衛生規則第44条(定期健康診断)

第四十四条 事業者は、常時使用する労働者(第四十五条第一項に規定する労働者を除く。)に対し、一年以内ごとに一回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。

  1. 既往歴及び業務歴の調査
  2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  3. 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
  4. 胸部エックス線検査及び喀痰かくたん検査
  5. 血圧の測定
  6. 貧血検査
  7. 肝機能検査
  8. 血中脂質検査
  9. 血糖検査
  10. 尿検査
  11. 心電図検査

2 第一項第三号、第四号、第六号から第九号まで及び第十一号に掲げる項目については、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときは、省略することができる。

3 第一項の健康診断は、前条、第四十五条の二又は法第六十六条第二項前段の健康診断を受けた者(前条ただし書に規定する書面を提出した者を含む。)については、当該健康診断の実施の日から一年間に限り、その者が受けた当該健康診断の項目に相当する項目を省略して行うことができる。

4 第一項第三号に掲げる項目(聴力の検査に限る。)は、四十五歳未満の者(三十五歳及び四十歳の者を除く。)については、同項の規定にかかわらず、医師が適当と認める聴力(千ヘルツ又は四千ヘルツの音に係る聴力を除く。)の検査をもつて代えることができる。

出典労働安全衛生規則


定期健康診断、法で定められた11項目

定期健診の法で定められた診断項目(法定項目)は以下の11項目です。定期健診の場合、労働者それぞれのこれらの情報が企業に提出されることになります。

▼一般定期健康診断の項目

1、既往歴及び業務歴の調査

2、自覚症状及び他覚症状の有無の検査

3、身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査

4、胸部エックス線検査及び喀痰検査

5、血圧の測定

6、 貧血検査(血色素量及び赤血球数)

7、 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)

8、 血中脂質検査( LDLコレステロール、 HDLコレステロール、血清トリグリセライド)

9、 血糖検査

10、 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)

11、 心電図検査

出典:厚生労働省「健康診断を実施しましょう」

また、2018年4月から、8. 血中脂質検査、9. 血糖検査、10. 尿検査等については、項目は変わりませんが、取り扱いが変更になりました。

変更点は以下の通りです。

8. 血中脂質検査について

LDLコレステロールの評価方法が示されました。 LDLコレステロールの評価方法として、フリードワルド式によって総コレステロールから求める方法、又はLDLコレステロール直接測定法によることが示されました。

9. 血糖検査について

空腹時又は随時血糖の検査を必須とし、HbA1c のみの検査は認められません。

10. 尿検査について

医師が必要と認めた場合には、「血清クレアチニン検査」の追加が望まれます。

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健康診断結果の取扱いに関する注意点

産業保健スタッフ以外は必要最小限の健康情報の取り扱いを

「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」には、「個人情報の保護に関する法律の趣旨を踏まえ、健康診断の結果等の個々の労働者の健康に関する個人情報(健康情報)については、特にその適正な取扱いの確保を図る必要がある」と記されています。

それでは、企業は健康情報をどのように取り扱わなくてはならないのでしょうか。

まず企業は、健康診断を実施したら、健康診断を受けた労働者に対して、遅滞なくその結果を通知しなければなりません。労働者が自分の健康状態を把握し、自主的に健康管理が行えるようにすることが目的です。

また、健康診断の結果について産業医の意見を聞き、就業上の措置が必要と判断された場合は、健康情報の取り扱いに注意しましょう。

健康情報を産業医などの産業保健業務従事者以外の従業員が取り扱う場合、就業上の措置を実施する上で必要最小限のものとなるようにする必要があります。健康情報の内容を適切に加工した上で提供するなどして、診断名、検査値など加工前の情報や詳細な医学的情報は取り扱わせないようにします。


健診結果の記録の保存・保管は5年間


企業は、健康診断結果の記録を保存しなければなりません。保存にあたっては、労働者の同意が必要です。方法としては、書面か電磁データによる保存になります。定期健康診断の場合、保存期間は5年間です。

また、二次健康診断の結果については、事業者に保存は義務付けられてはいませんが、継続的に健康管理を行うことができるよう、「保存することが望ましい」とされています。

では、派遣労働者の場合は、健康情報は派遣元と派遣先のどちらが労働者の健康情報に責任を持つのでしょうか。

定期健診など一般健康診断に関する健康情報については、派遣元事業者の責任において取り扱います。派遣元事業者は、派遣労働者の同意を得ずに、健康情報を派遣先事業者に提供してはいけませんので気を付けましょう。

定期健診での、労働者の健康情報の取り扱い方法や保存期間はご理解いただけましたか?

毎年実施する定期健診ですので、情報の取り扱いは慎重にかつ適切に行いましょう。



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