〈決定版〉1からわかる「産業医の選任」従業員数・義務・届出・罰則の要点

最終更新日:2021年7月9日

従業員50人以上の事業場では産業医を選任することが義務付けられています。

また、従業員数が多ければ必要となる産業医の人数も変わりますし、産業医を常勤させる必要もあるのです。

「産業医の選任」に関する知っておきたいポイントをまとめました。

目次[非表示]

  1. 1.従業員数50名以上の事業場では「産業医の選任」が義務     
    1. 1.1.産業医の選任義務は、事業場の規模(従業員数)によって異なる
    2. 1.2.事業場(従業員数)の規模に対して選任が義務となる「産業医の人数」
    3. 1.3.従業員1,000名以上の事業場では「専属産業医」の選任が義務
    4. 1.4.有害物質等を取り扱う業種では「500人以上」で専属産業医の選任が義務
  2. 2.嘱託と専属、産業医を選任した後の勤務は?
    1. 2.1.嘱託産業医と専属産業医の大きな違いは勤務形態
    2. 2.2.嘱託産業医の勤務形態
    3. 2.3.専属産業医の勤務形態
  3. 3.産業医選任のポイント「届出と罰則」
    1. 3.1.産業医の選任は「14日以内」に。届出は労働基準監督署へ
    2. 3.2.〈50万円以下の罰金〉産業医の選任を怠った場合の罰則

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従業員数50名以上の事業場では「産業医の選任」が義務     

産業医の選任義務は、事業場の規模(従業員数)によって異なる

選任する産業医の人数や形態は、事業場の規模(従業員数)によって異なります。

結論からいうと従業員が「50名以上」の事業場であれば、嘱託の産業医が1名必要ということになり、規模が大きくなれば産業医も複数選任することが定められているのです。

●「事業場」ってなに?

事業場とは、同じ場所で相関連する組織的な作業をできる場所の単位のことで、同じ会社であっても、支店、支社、店舗ごとに1事業場となります。

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また「そもそも産業医ってどんな存在なの?」という方には、こちらの記事もチェックしておくことをおすすめします。

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事業場(従業員数)の規模に対して選任が義務となる「産業医の人数」

産業医を選任することは「労働安全衛生法(第13条)」「労働安全衛生法施行令(5条)」で定められた企業・法人の義務です。

では、従業員の人数に応じて、何人の産業医を選任する必要があるのでしょうか。

以下にまとめてみましたのでチェックしておきましょう。

■従業員数が50 名~3,000 名の事業場

産業医を「1名以上」選任する必要がある

■従業員が数3,001 人以上の事業場

→産業医を「2名以上」選任する必要がある

出典:株式会社エムステージ「はじめての産業医選任まるわかりガイドブック

●産業医の選任義務は「事業場」の従業員数であることに注意

産業医の選任義務が発生するのは、企業全体の従業員数ではなく”事業場ごと”になる点に注意しましょう。


つまり、会社全体の従業員数が100名の企業であっても、A支店の従業員が50名、B支店の従業員が50名であれば、それぞれの支店で産業医を1名ずつ選任する義務があるのです。


従業員1,000名以上の事業場では「専属産業医」の選任が義務

また、もう一つのポイントは、事業場の従業員数が1,000人以上(※)であれば「専属産業医」の選任が必要になるということです。

常時 1,000 人以上の労働者を使用する事業場では、常勤する専属産業医を選任しましょう。

これまでの話を要約すると、従業員数50~999名の事業場では、嘱託産業医を選任すれば良く、従業員が1,000名以上であれば専属産業医を選任する必要があるということです。

また、事業場の従業員が3,001名以上であれば産業医を2名選任することが定められています。


有害物質等を取り扱う業種では「500人以上」で専属産業医の選任が義務

有害物質等を取り扱う事業場では「従業員500人以上」で専属産業医を選任する義務があります。

その業務の例は労働安全衛生規則に定められています。

次のイ~カに該当する業務を行っている場合がそれに該当しますのでチェックしておきましょう。

●従業員500人以上で専属産業医の選任が必要な業務(労働安全衛生規則第13条第1項第2号)

イ  多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務

ロ  多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務

ハ  ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務

ニ  土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務

ホ  異常気圧下における業務

ヘ  さく岩機、鋲打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務

ト  重量物の取扱い等重激な業務

チ  ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務

リ  坑内における業務

ヌ  深夜業を含む業務

ル  水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り 扱う業務

ヲ  鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベン ゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務

ワ  病原体によつて汚染のおそれが著しい業務

カ  その他厚生労働大臣が定める業務

出典:労働安全衛生規則

専属産業医についてもっと知りたい方はこちらの記事がおすすめです。

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嘱託と専属、産業医を選任した後の勤務は?

嘱託産業医と専属産業医の大きな違いは勤務形態

前述したように、産業医には「嘱託産業医」と「専属産業医」という2種類の形態があります。

それぞれ、産業医として企業で行う業務に根本的な違いはありませんが、勤務形態が異なります。


嘱託産業医の勤務形態

嘱託産業医は非常勤として事業場に勤務する産業医です。

勤務形態としては、1か月に1回~数回、1回数時間の訪問をするケースが一般的です。

では、嘱託産業医の医師は普段何をしているのかというと、勤務医や開業医として働いている医師が多いのです。

一方で、近年では産業医を本業として活躍する医師も多く、嘱託産業医として、複数の企業を担当している場合もあります。


専属産業医の勤務形態

専属産業医は、その名の通り企業専属の産業医であり、常勤する医師のことです。

一般的に週4日程度、事業場に常勤しているケースが多いです。

また、専属産業医は嘱託産業医よりも滞在する時間が長いため、企業の産業保健活動・健康経営に寄り添った活動を期待することができます。

こうした理由から、従業員1,000名未満であっても、専属産業医を選任する健康意識の高い企業もあります。

産業医選任のポイント「届出と罰則」

産業医の選任は「14日以内」に。届出は労働基準監督署へ

産業医が必要になるタイミングがやってきたら「14日以内」に選任しなければならないことが労働安全衛生規則にて定められています(※労働安全衛生規則 第13条)

また、産業医を選任すると、産業医の選任報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。

これは既存の産業医を交代する際も同様に、労働基準監督署への届出が必要(労働安全衛生規則第2条第2項、同規則第13条第2項)になります。

産業医の選任後は、届出を忘れずに提出しましょう。

※産業医の選任に関するルール(労働安全衛生規則)

(産業医の選任等)

第十三条 法第十三条第一項の規定による産業医の選任は、次に定めるところにより行わなければならない。 一 産業医を選任すべき事由が発生した日から十四日以内に選任すること。

出典:労働安全衛生規則

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〈50万円以下の罰金〉産業医の選任を怠った場合の罰則

産業医の選任義務がある条件にあてはまっているにも関わらず、産業医を選任していなかった場合は、労働安全衛生法において法律違反となり罰則が設けられています。

前述した労働安全衛生法第13条第1項には「医師のうちから産業医を選任し、労働者の健康管理等を行わせなければならない」と定められており、この法を遵守しなかった場合には50万円以下の罰金に処するという罰則規定が記載(労働安全衛生法 第120条)されています。


労働者が50人をそろそろ超えそうなら、産業医の先生を探すタイミングです。

規模に応じて、必要な産業医の選任の準備をしていきましょう。

と、ここまで紹介してきましたが、

「産業医の選任、はじめてで不安がある・・・」

「産業医ってどこでどうやって探すの・・・?」とお悩みの方も多いはず。

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サンポナビ編集部

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企業の産業保健を応援する『サンポナビ』編集部です。産業医サポートサービスを提供している株式会社エムステージが運営しています。 産業医をお探しの企業様、ストレスチェック後の高ストレス者面接でお困りの企業様は、ぜひお問い合わせボタンからご相談ください。

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