産業医の選任が義務になるのは、どのタイミングから?

会社は、会社の規模に応じて産業医を選任しなければなりません。どのタイミングで義務となるのでしょうか。

労働安全衛生法で、従業員50人以上の事業場(本社、支社、営業所など)では産業医を選任することが義務付けられています。

従業員50 人以上999人以下の場合は非常勤である嘱託産業医でも可能ですが、従業員 1,000 人以上の事業場と、有害業務に常時 500 人以上が従事している事業場は、専属産業医を選任しなければなりません。

選任していない場合の罰則も含めて確認しましょう。

<目次>

1.産業医の選任が義務になる基準は?

2.嘱託産業医と専属産業医の違いは?

3.産業医を選任していない場合の罰則はあるの?

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産業医の選任が義務になる基準は?     

選任する産業医の人数や形態は、「事業場」の規模や事業内容によって異なります。「事業場」とは、同じ場所で相関連する組織的な作業をできる場所の単位のことで、同じ会社であっても、支店、支社、店舗ごとに1事業場となります。

労働者数50 人以上 3,000 人以下の規模の事業場は、産業医を1名以上選任し、労働者数3,001 人以上の規模の事業場は、産業医を2名以上選任しなくてはなりません。

注意すべき点は、労働者数50 人以上の事業場ごとに、産業医を選任する義務があるということです。たとえば、企業Aの支店Xの労働者が150人、支店Yが70人であった場合、産業医を支店ごとに選任する義務があります。

また、常時 1,000 人以上の労働者を使用する事業場と、下記の有害業務に常時 500 人以上の労働者を従事させる事業場では、その事業場に専属の産業医を選任しなければなりません。

※「専属」については次の章で解説します。

イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務

ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務

ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務

ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務

ホ 異常気圧下における業務

ヘ さく岩機、鋲打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務

ト 重量物の取扱い等重激な業務

チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務

リ 坑内における業務

ヌ 深夜業を含む業務

ル 水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り 扱う業務

ヲ 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベン ゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務

ワ 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務

カ その他厚生労働大臣が定める業務


引用元:労働安全衛生法

嘱託産業医と専属産業医の違いは?

産業医には嘱託産業医と専属産業医という2種類の形態があります。産業医として行える業務に変わりはありませんが、勤務形態が異なります。

嘱託産業医

労働者数50 人以上999人以下の場合、選任する産業医の形態は嘱託(非常勤)で可能です ただし、事業場が有害業務の場合は、500名以上で専属産業医が必要になります。

普段は勤務医や開業医として働いている医師が、月に1~数回、1回数時間の訪問をする形態が一般的です。

嘱託産業医として、複数の企業を担当している医師もいます。


専属産業医

常時 1,000 人以上の労働者を使用する事業場と、有害業務に常時 500 人以上の労働者を従事させる事業場では、その事業場に専属の産業医を選任しなければなりません。この形態が「専属産業医」になります。

労働者数3,001 人以上の規模の事業場は、専属産業医を2名以上選任しなくてはなりません。


以上から、事業場の規模や事業内容別に産業医の選任義務をまとめると、次のようになります。

  • 50人未満:産業医の選任義務はなし
  • 50~499人:嘱託産業医1名
  • 500人~999人:嘱託産業医1名、ただし有害業務の場合は専属産業医1名
  • 1000人~3000人:専属産業医1名
  • 3001人以上:専属産業医2名

産業医を選任していない場合の罰則はあるの?

産業医を選任すると、産業医の選任報告を所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。
その期限は次のように定められています。

事業場は、産業医を選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任しなければなりません。

引用元:労働安全衛生規則第13条

産業医の選任義務がある条件にあてはまっているにも関わらず、産業医を選任していなかった場合は、労働安全衛生法において法律違反となり罰則が設けられています。

労働安全衛生法第13条第1項には「医師のうちから産業医を選任し、労働者の健康管理等を行わせなければならない」とあり、第120条には、これをしなければ50万円以下の罰金に処するという罰則規定が記載されています。

労働者が50人をそろそろ超えそうなら、産業医の先生を探すタイミングです。規模に応じて、必要な産業医の選任の準備をしていきましょう。

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