【Q&A】受験資格、合格率は?労働衛生コンサルタント試験のよくある疑問

最終更新日:2021年2月24日

厚生労働大臣が認める職場の健康に関するスペシャリスト「労働衛生コンサルタント」。

近年、受験者が急増し注目の高まっている労働衛生コンサルタントの資格試験について、よくある疑問をQ&Aでまとめました。

目次[非表示]

  1. 1.Q:労働衛生コンサルタントは何をする人?
  2. 2.Q:労働衛生コンサルタントの受験資格は?
  3. 3.Q:労働衛生コンサルタント試験内容ってどんなもの?
  4. 4.Q:労働衛生コンサルタントの難易度(合格率)はどれくらい?
  5. 5.Q:労働衛生コンサルタント、試験の日程と試験会場は?
  6. 6.Q:労働衛生コンサルタントの年収相場はどれくらい?産業医も取得すべき?
  7. 7.Q:労働衛生コンサルタントの資格を持った産業医を探すには?
  8. 8.Q:労働衛生コンサルタント試験の合格後と仕事は?



Q:労働衛生コンサルタントは何をする人?

A:労働衛生コンサルタントの仕事は、企業(事業場)の衛生について診断し、指導を行うことです。

つまり、働く人の健康状態を把握し、課題を解決する役割があります。

「それって産業医と同じじゃない?」と思われる方もいると思いますが、産業医の職務は衛生活動だけでなく、安全に関する活動など多岐にわたっています。

この「労働衛生コンサルタント」は、職場の衛生に関するプロフェッショナルな存在です。

ですので、産業医が労働衛生コンサルタントの資格を持っているケースも多いのです。

労働衛生コンサルタントの資格は国家資格であり、報酬も高額なケースも多く、いま注目が高まっている資格なのです。


Q:労働衛生コンサルタントの受験資格は?

A:労働衛生コンサルタントの試験を受験するためには、受験資格を満たしている必要があります。

例えば、医師や歯科医、薬剤師など特定の資格を有している場合には、要件が免除されます。

しかし、一般受験となれば理系大学卒者で5年、短大・高卒者で7年の衛生に関する実務経験(※)があることが要件になります。

詳細については労働衛生コンサルタントの試験を実施している(公財)安全衛生技術試験協会のホームページで確認しておきましょう。

●衛生に関する実務経験とは?

衛生の実務とは、事業場の労働衛生管理部門の管理職、衛生管理者等のほか生産現場等において労働衛生管理を担当し、所掌する者が下記の業務を行うことを示します。

① 労働衛生管理計画の企画、立案及び運営に関すること

② 労働者の健康診断及びその事後措置に関すること

③ 作業環境や作業条件の調査、測定やその改善に関すること

④ 衛生教育計画の作成、運営に関すること

⑤ 有害物中毒等の調査、分析に関すること

出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会


Q:労働衛生コンサルタント試験内容ってどんなもの?

A:労働衛生コンサルタントの試験には、筆記試験(一次試験)と口述試験(二次試験)で構成されています。

筆記試験の回答方式は選択式と記述式の両方があります。試験科目については「①保健衛生」あるいは「②労働衛生工学」の2つの区分のうち、どちらかひとつを受験します。

口述試験では、総合的な判断力等が求められる傾向があり、この資格試験が難関といわれる理由の一つになっています。

試験のポイントについては、数多くのテキストが出ていますし、労働衛生コンサルタントとして活動している方がセミナーを行っていることもあるようですので、チェックしてみましょう。




Q:労働衛生コンサルタントの難易度(合格率)はどれくらい?

A:労働衛生コンサルタントの資格は難関であり、合格率は「およそ3割」といわれています。

過去5年程度の合格率を見ても、およそ27%~40%程度を推移しており、試験を実施している公益財団法人 安全衛生技術試験協会によれば、2019年度に最終試験を合格したのは35.1%でした(下図)。

出典:安全衛生技術試験協会「試験実施統計」


Q:労働衛生コンサルタント、試験の日程と試験会場は?

A:筆記試験は10月、口述試験が2月に開催されています。

2021年度の試験日程はまだ発表されていません(2021年2月現在)が、2020年は10月に筆記試験が行われ、2021年2月に口述試験が行われています。

また、試験会場は北海道、宮城、東京、愛知、兵庫、広島、福岡で開催されましたが、口述試験に関しては東京と大阪の2つの会場でのみ行われました。

新型コロナウイルスの流行などもありますので、試験会場については受験申請前によく確認しておきましょう。


Q:労働衛生コンサルタントの年収相場はどれくらい?産業医も取得すべき?

A:600~750万円が報酬の相場。

労働衛生コンサルタントの年収を調べてみみたところ、地域等によって幅があるものの、およそ600万円から750万円程度が一般的な相場でした。

また、産業医の資格と労働衛生コンサルタントの資格を両方とも所有している医師は、産業医事務所等を開業し、複数の企業にて産業医の業務に携わっているケースもありました。

労働衛生コンサルタントの資格を取得することで、企業からの信頼性も向上しますし、より高度な産業医の活動につなげられます。



Q:労働衛生コンサルタントの資格を持った産業医を探すには?

A:地元の医師会や健診機関、医師紹介会社に相談してみる。

株式会社エムステージの産業保健事業部には、企業から「労働衛生コンサルタントの資格を持った産業医を選任したい」という相談が増加しているといいます。

近年では、職場における感染症対策やメンタルヘルス不調対策、健康経営の実施など、より高度なスキルを持った産業医が求められていることがわかります。

また、産業医は地元の医師会や健康診断機関から紹介してもらうケースや、紹介会社に相談するという方法もあります。

産業医の選任・交代を検討しているようであれば、以下の記事も参考にしてみてください。

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Q:労働衛生コンサルタント試験の合格後と仕事は?

A:日本労働衛生コンサルタント会に入会するなどして情報収集を。

労働衛生コンサルタントの試験に合格後は、一般社団法人 日本労働安全衛生コンサルタント会という団体に入会する方も多いようです。

日本労働衛生コンサルタント会では、労働衛生コンサルタントの資質向上を目指して設立された団体であり、各種の研修会や講習会が開催されているため、スキルの向上にも効果的です。

労働衛生コンサルタントの試験と仕事について紹介しました。

産業医の資格を持ち、労働衛生コンサルタントとして仕事を探す際には、医師・企業の両方の情報を持った紹介会社に相談してみることもよいでしょう。

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