【やさしく解説】健康経営で注目されるISO45001取得のメリットとは

最終更新日:2020年3月31日

ISO45001の認証を取得することは、企業にとって大きなメリットがあり、近年注目が高まっています。

ISO45001認証に欠かせないOSHMSの解説と、産業医と連携して健康経営を実現する際のポイントを紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.取得には大きなメリットがある「ISO45001」とは何か?
    1. 1.1.「ISO45001」の内容と認証取得のメリット
    2. 1.2.ISO45001の認証に欠かせないOSHMS(労働衛生マネジメントシステム)の理解
  2. 2.ISO45001とJISQ45100の違いと、OSHMSの骨格となる内容
    1. 2.1.ISO45001とJISQ45100の違いとは?
    2. 2.2.「PDCAサイクル」がOSHMSの基本骨格となる
  3. 3.産業医・産業保健師と連携したOSHMSで「健康経営」を目指す
    1. 3.1.ISO45001の認証を目指したOSHMSで健康経営を実現する
    2. 3.2.OSHMSで産業医の意見をもらうことが健康経営につながる

取得には大きなメリットがある「ISO45001」とは何か?

「ISO45001」の内容と認証取得のメリット

「ISO45001」とは、「労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)」の国際標準規格です。

国際標準化機構(ISO)によって規格された「ISO45001」は、取得のハードルこそ高いものの、取得することは企業にとって大きなメリットがあります。

ISO45001取得の具体的なメリットは、社外に対して「安全衛生の質が高いこと」をPRできるため、企業の評価の向上につながるといわれています。

そしてISO45001のプログラムを実践することは「安全衛生の水準向上」「労働災害の減少」につながりますので、人材の定着にも効果的といえます。


ISO45001の認証に欠かせないOSHMS(労働衛生マネジメントシステム)の理解

「そもそも労働安全衛生マネジメントシステムってなに?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

労働安全衛生マネジメントシステム(以下「OSHMS」(※)と言います)とは、端的に言えば「労働災害や病気から従業員を守るための安全衛生管理システム」のことです。

このOSHMSは、企業がそれぞれ独自で構成するものです。

そして、OSHMSを運用していくことが労働者の「安全」と「衛生」を守ることになります。

つまりISO45001が、このOSHMSの「世界基準」といえます。

ISO45001の認証取得には産業保健スタッフと連携したOSHMSの構築が欠かせませんので、医療の専門家として頼れる産業医が心強い存在になるでしょう。

※OSHMSはOccupational Safety and Health Management Systemそれぞれの頭文字をとったもの。


ISO45001とJISQ45100の違いと、OSHMSの骨格となる内容

ISO45001とJISQ45100の違いとは?

ISO45001は労働衛生マネジメントシステムの国際的な規格だと説明しました。

もう一つ、よく聞くのが「JISQ45100」というキーワードです。

JISQ45100とは、ISO45001に厚生労働省の「OSHMS指針」の内容を追加したもので、日本産業規格が定めているもの。

JISQ45001には、国際規格のISO45001に「日本独自の安全衛生活動の内容」を盛り込まれていることになるのです。

つまり、JISQ45100の承認を取得することで、ISO45001の承認も得られることになるのです。


「PDCAサイクル」がOSHMSの基本骨格となる

OSHMSを構築する際、基本的な骨格となるのが「PDCAサイクル」の運用です。

PDCAは次のような構成となっています。

  • P(Plan)「安全衛生の計画」「職場の実態把握」
  • D(Do)「計画の実施」
  • C(Check)「計画、目標の達成レベルの評価」
  • A(Act)「評価から改善点を発見し、次の計画につなげる(改善を行う)

また、安全衛生の計画を立てることで終わらせず、必ず「実行してみてどのような結果になったか」「事故や病気発生の課題はどのように改善すべきか」ということについて、PDCAサイクルを回しながら社内の安全衛生担当者が議論するようにします。

そうすることで、より水準の高い労働安全衛生の活動につなげることができます。

運用の概要については以下の図を参考にしましょう。


出典:厚生労働省「労働安全衛生マネジメントシステム~効果的なシステムの実施に向けて」


産業医・産業保健師と連携したOSHMSで「健康経営」を目指す

ISO45001の認証を目指したOSHMSで健康経営を実現する

ISO45001の認証取得については、先ほどのPDCAの内容をシステムとして構築・運用した後に、認証機関の審査を経て取得することが可能になります。

ただし、ISO45001の取得を目指すのであれば、管理部門の声掛けや努力だけで達成することは困難だといえます。

その理由として、審査では企業全体の安全・衛生レベルが高水準であることが条件となるからです。

よって、活動をすすめるために労働者全員からの協力が必要なことはもちとん、日頃の衛生教育などで啓蒙していくことが大切になります。

その際、産業医による衛生講話や、衛生委員会での討議が課題の発見や改善の機会になりますので、最大限に活用しましょう。


OSHMSで産業医の意見をもらうことが健康経営につながる

OSHMSの計画を策定する際、企業における医療の専門家である産業医から意見をもらうことはとても効果的です。

労働衛生というとどうしても「事故防止」など、安全面の改善に注目されがちですが、一般的なオフィスワークであれば「健康」に関しても注力することが大切です。

具体的には、計画の中に「健康診断受診率・ストレスチェックの受験率を100%にする」「職場の喫煙率を10%以下にする」「1か月の時間外労働を20時間以内にする」といった項目を設定します。

その際にはなるべく具体的な数値を入れることが理想的と言われています。

そして、産業医には「計画した数値(目標)が達成可能かどうか」「達成しなかったがどのように改善すべきか」といったことについて意見をもらうことが効果的です。

こうした活動は健康経営とも密接にリンクしているため、ぜひ産業医・産業保健師と連携して取り組みましょう。


▼関連記事▼

メンタルヘルス対策のPDCAサイクル「4つのケア」をわかりやすく解説

テーマを変えるだけじゃダメ?衛生委員会のマンネリ化を防ぐ5つの方法

産業医に関するお悩みは ありませんか?

産業医を選任したい、見直したい、企業の産業保健活動に悩みがある……。産業保健のお困りごとは、株式会社エムステージの産業医サポートサービスが解決します。

関連記事


2019年度・人事担当に最も読まれた記事TOP5~産業保健と新型コロナウイルス

2020年4月15日最終更新:サンポナビの記事の中から2019年4月から2020年3月末までに最も読まれた記事のトップ5を紹介します。企業の人事担当者、衛生担当者、そして産業保健スタッフの方は必見の内容になっています。

「安全配慮義務違反」と「予見可能性」企業が対応するためのポイント解説

企業には、従業員の安全と健康をまもるための「安全配慮義務」があります。安全配慮義務を違反することは、労災やメンタルヘルス不調を引き起こす原因になり、最悪の場合には過労死などにも繋がってしまいます。管理監督者や人事が取り組むべきポイントについて紹介します。

【丸井グループ】戦略的なサステナビリティ経営を軸にV字回復

「健康経営」に取り組む企業が増えてきていますが、経営的な観点から見れば、健康経営に取り組む費用対効果が気になるところ。「健康経営銘柄」に連続選定され、増収増益を実現している株式会社丸井グループの統括産業医、小島玲子先生にお話を伺いました。