【たった6秒のパワハラ対策】アンガーマネジメントを職場で実践する方法
職場でついつい怒りを吐き出してしまい、後悔することはありませんか?
怒りの状態でいると、自分では「指導」のつもりでいても、パワハラと捉えられてしまうおそれがあるのです。
2020年にはいわゆる「パワハラ防止法」がはじまることで、企業から注目を集めている「アンガーマネジメント」。
仕事で発生する「怒り」のメカニズムとその対策について解説します。
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「アンガーマネジメント」はパワハラ対策・予防にも効果がある
「アンガーマネジメント」とは何か?~「怒りをマネジメントする」ことのメリット
アンガーマネジメントとは、自分の中にある「怒り(anger)」をマネジメント(抑制・予防)するための心理療法プログラムことです。
2020年4月にはいわゆる「パワハラ防止法」がスタートし、リスクマネジメントの観点からも、アンガーマネジメントは大きな注目を集めています。
アンガーマネジメントを取り入れる大きなメリットは、職場の円滑なコミュニケーションの実現による生産性の向上や離職の低下です。
「怒らなければよかった」と後悔することのないように、今すぐ実践できるアンガーマネジメントについて知っておきましょう。
「職場の人間関係」が社会問題化している
東京産業労働局の調べによれば、2018年度の相談件数でもっとも多かった内容は〈人間関係〉で、中でも「職場の嫌がらせ」に関するものが9,631件(※1)ありました。
そして、厚労省が発表した2018年の精神障害の労災補償状況を見てみると、1,820件(※2)の請求があり、年々増加の傾向にあります。
もし、パワハラが原因で労災が発生したり、従業員から会社が訴えられてしまったら…企業は大きなダメージを負うことになってしまいます。
2020年6月には、いわゆる「パワハラ防止法」もはじまりますので職場の「怒り問題」へ適切に対応していきましょう。
※1 出典:東京産業労働局「労働相談及びあっせんの概要(平成30年度)」冊子より
※2 出典:厚生労働省「平成30年度「過労死等の労災補償状況」を公表します」
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「怒り」について知ることがアンガーマネジメントの第一歩になる
人はどのようなことに怒りを感じるのか
「いらいらする」「怒りっぽい」状態とは、物事が自分の思い通りにいかないときに、こころの中に生じる不快感のことを指します(※3)。
その要因となるものは、不安や不満など、さまざまな感情があるでしょう。
そして「怒りを覚える」メカニズムは、自分にとってコントロールが「可能」か「不可能」かによって分かれており、コントロール可能でありそうな事象ほど「怒り」が発生し、強い怒りを感じると言われています(※4)。
例えば「地球温暖化」よりも「歩きスマホ」に怒りが湧くのはそのような理由からなのです。
自分が怒ることで「変えられそう」「コントロール出来そう」なものに対して、怒りの感情が湧くことを知っておきましょう。
※3 出典:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス総合サイト」
※4 出典:北海道勤労者安全衛生センター「安全・衛生じゃーなる(第110号)」
「完璧主義」な人ほど怒りやすい傾向がある?
怒りの原因は数多く存在しますが、怒りやすい人とそうでない人がいるのは確かです。
怒りやすい人は「完全主義」と言い換えることもできるかもしれません。
他人の行動や言動に対し「許せない」「理解できない」と感じてしまうタイプの方ほど、その傾向があると言えます。
また、仕事では「これくらいいいだろう」という判断が常に求められますが、その「これくらい」という尺度は人それぞれです。
その尺度の違いから「怒り」が発生し、職場はストレスの要因で満ちあふれています。人の行動が許容できない方は次で説明する実践方法を試してみて、ハラスメントに発展してしまわないようにしましょう。
「ムカッときたら6秒待つ」アンガーマネジメントの実践方法
アンガーマネジメント「6秒」の法則。怒りのピークタイムをやり過ごす
怒りを爆発させてしまうことで「失うもの」を理解していたとしても、とっさに湧いた怒りの感情を落ち着けることは難しいと思います。
そこで、アンガーマネジメントを手軽に実践する方法は「怒りを感じた時、6秒数える」ことだと言われています(※5)。
その理由として「怒り」のピークは6秒だと言われており、この6秒間をやり過ごすことで、怒りを抑えることができるということ。
職場でもし「ムカッと」きたら、まずは6秒待つことを実践してみてはいかがでしょうか。その際、6秒を数える時はゆっくり深呼吸をすることも効果的です。また、怒りを覚えたら「その場を離れる」という行動も効果があるようです。
※5 出典:労働開発研究会「労働法学研究会報(第2585号)」
「怒り日記」をつけることも効果的な方法
アンガーマネジメントとして効果のある方法の2つ目は「怒ったことについて日記を書くこと」です。
日記をつけていくことで、怒りの種類や小ささ、自分がどのような出来事に怒りを感じやすいか、といった傾向を客観的に見ることが可能になります。
その際「自分の言い分は本当に正しいのか?」といった観点でも見直してみることも効果的でしょう。
産業保健からはどのようなアプローチをするべきか
産業保健や人事担当からは、ストレスチェックを通じて職場のストレス状態をしっかり把握しておくことが必要です。
その際、職場のモチベーション・人間関係の情報が集められる「80項目版」のストレスチェック調査票などを活用することも効果的でしょう。
また、職場の人間関係も衛生委員会で共有しておくことや、必要に応じて産業医の衛生講話を通じてストレスに対する理解を深めることも大切です。
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