あなたの会社の産業医、「名義貸し」の状態になっていませんか?

2015年12月に始まった、50人以上の労働者がいる事業場で毎年1回の実施が義務付けられているストレスチェック制度。このストレスチェック義務化をきっかけに、産業医の実態が露呈したケースも少なくなかったようです。

今回は、産業医の実態と、今求められている産業医の理想像に迫ります。

▼専任コンサルタントが産業医をご紹介します

<目次>

1.ストレスチェックや、高ストレス者への面接指導を担当しない産業医

2.「選任しているだけ」で、産業医が機能していない2つの理由

3.今、求められている産業医とは

4.産業医を、「健康経営の柱」に

ストレスチェックや、高ストレス者への面接指導を担当しない産業医

ストレスチェックの実施者や、高ストレス者への面接指導は、【事業場の実情を理解している産業医】が行うことが最も望ましいとされています。実施結果をもとに面接指導や職場環境の改善をする上で、普段から事業場の様子を巡視している産業医の方が、実態にあった提言が可能なためです。


しかしながら、事業場が選任している産業医から、ストレスチェックの実施者になることや、高ストレス者の面接指導を断られるケースも少なくありません。

厚生労働省労働衛生課調べ(平成 29 年7月)のストレスチェック制度の実施状況によると

  • 事業場選任の産業医がストレスチェック実施者となった企業は僅か49.4%
  • ストレスチェックを実施した事業場のうち、高ストレス判定者に対して医師による面接指導を実施した事業場は32.7%
  • そのうち事業場選任の産業医が面接指導を担当したのは79.1%

事業場選任の産業医でも、5割のケースでストレスチェック実施者を担当せず、2割のケースで面接指導を担当していないという実態があります。


これは、産業医を「選任しているだけ」で、産業医が本来担うべき役割を十分果たしていると言えない状態だと言えます。

このように、ストレスチェックの義務化をきっかけに、産業医を「選任しているだけ」の状態を見直し、別の産業医の選任を検討し始める企業が増えてきています。


「選任しているだけ」で、産業医が機能していない2つの理由

厚生労働省が公表した平成28年度の「過労死等の労災補償状況」によると、精神障害に関する労災件数は過去最大の請求1,586件、認定498件となりました。労働者のメンタルヘルスは、無視できない喫緊の課題です。

「健康経営」や「働き方改革」というキーワードをよく耳にするように、国としても企業のメンタルヘルス対策には力を入れていく方向性が見られます。それでもなお、メンタルヘルス対策の鍵を握る産業医が、依然としてうまく機能していないことが多い背景には何があるのでしょうか。


要因として【実務ができる産業医の不足】と【企業側が産業医を活用する姿勢の不足】という、産業医側と企業側双方の問題が考えられます。

実務ができる産業医の不足

産業医の中には、メンタルヘルスは専門外だからと業務を断ってしまうケースや、ストレスチェックなどの新しい制度に対応しきれるか分からず引き受けていないケース、医師として臨床が忙しく産業医の仕事と両立できていないケースなどが存在します。

厚生労働省の資料(現行の産業医制度の概要等)によると、産業医の養成研修・講習を修了した医師は約9万人いますが、実働しているのは推計約3万人程度です。

企業側が産業医を活用する姿勢の不足

一方で、企業側の「選任していればいい」という姿勢も大きな問題です。

「法規定されているため」、「罰則金を払わないようにするため」、「安全配慮義務違反にならないようにするため」にとりあえず選任しているという、いわゆる「名義貸し」という状態に陥ってしまうケースも少なくありません。

労務リスクへの対策はもちろん、労働者の健康管理や生産性向上のために戦略的に企業側が産業医を活かす姿勢が必要不可欠です。


今、求められている産業医とは

産業医とは、労働者の健康管理等を行う専門の資格を持った医師のことです。労働安全衛生規則によって職務内容などが規定されていますが、その実態は大きく異なります。

例えば、通常月に1回以上の作業場の巡視が規定されていますが、数ヶ月間産業医が事業場に来ないというケースも多くあります。

産業医としての役割や実務を行なっていない状態を「当たり前」だと思ってしまっている方や、産業医が何をしているのか分からないという方もいるのではないでしょうか。


ストレスチェック義務化など新しい制度も増える中で、今、企業から求められる産業医は、組織や制度の変化に適応し、労働者の健康管理に熱意をもって取り組む意志を持った産業医であると言えます。

例えば、ストレスチェック制度であれば、安全衛生委員会で事業場にあう形でストレスチェックの運用方法をしっかり議論し、決定する。ストレスチェックの質問項目を事業場にあった形にカテゴライズして提言し、効果的にストレスに関する知見を得て、職場環境の改善をしていく。などといった工夫を積極的に行うべきでしょう。


産業医を、「健康経営の柱」に

厚生労働省としても、産業医の選任強化や、ストレスチェック義務化など、メンタルヘルス対策を推進しています。

「選任しているだけ」の状態から、産業医を「健康経営の柱」として活用していくための第一歩として、まずは産業医について理解を深め、選任している産業医の職務内容を確認してみましょう。

 

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