メンタルヘルス不調の初期症状とは?チェックすべき症状や対処法を解説!
メンタル不調による休職や離職を防ぐためにも、初期症状を早期に発見することが大切です。初期症状のみられるメンタル不調者に対しては、信頼関係を築いた人物が相談にのり、必要に応じて産業医や精神科・心療内科への受診につなげましょう。
この記事では、メンタル不調による初期症状について詳しく解説します。職場で見られる具体的な行動も紹介するので、メンタル不調の初期症状を早期発見するためにも、ぜひご覧ください。
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メンタル不調における一般的な初期症状
一般的に、メンタルヘルス不調の初期症状は次の3つに分類されます。
- 精神症状
- 身体症状
- 行動に現れる症状
それぞれについて、具体的な症状を解説します。
精神症状
精神症状には次のようなものが考えられます。
- やる気ができない
- おっくうで何もする気がしない
- 気持ちが落ち込んでいる
- イライラすることが多い
- 何事にも興味や関心がわかない
- 喪失感がある
- 常に不安を抱えている
- 焦燥感やあせりで心が落ち着かない
- 仕事に集中できない
メンタル不調者の感情の起伏が激しくなり、行動や態度に現れるようになって、周囲が異常に気づくことがあります。
身体症状
身体症状には次のようなものが挙げられます。
寝付けなかったり、夜中に目が覚めたりしてしっかりと眠れない
ゆっくり眠りたいのに、早朝に目が覚める
吐き気がある
食欲がない
腹部の膨満感がある
腹痛や胃痛に悩まされている
微熱や倦怠感がある
頭痛がある
めまいや耳鳴りがある
動悸がする
メンタル不調者の身体症状が悪化して職場を休みがちになることで、周囲が変化に気づくケースが考えられます。
行動に現れる症状
行動に現れる症状として次のものが考えられます。
- 飲酒量が増えた
- 喫煙本数が増えた
- 食べ過ぎたり、食べなさ過ぎたりする
- 登校や出社を拒否している
- ひきこもりがちになった
- 衝動買いをするようになった
- 遅刻や早退、欠勤が増えた
- 時間外労働が増えた
- 休日出勤するようになった
- 会話や報告、相談をしなくなった
- 学校や仕事の成績・成果が落ちた
- ミスが増えた
- 急に泣くようになった
- 服装の乱れや不潔さが目立つようになった
メンタル不調者が以前とは異なる行動をとるようになると、周囲が変化に気づく場合があります。
職場でチェックすべきメンタル不調の初期症状8つ
次に、職場で見られる初期症状について見ていきましょう。以下の7つの症状が考えられます。
- 休みや遅刻が増えた
- 仕事のパフォーマンスが低下した
- いつもと違う行動をしている
- 体調が悪い
- いつもより元気がない
- いつもよりイライラしている
- 本人から心身の不調について相談を受けた
- 高ストレス者と判定された
それぞれの症状について解説します。
休みや遅刻が増えた
メンタル不調に陥ると、急に休みや遅刻が増えることがあります。たとえば、うつ病になった人は、朝から午前中にかけて調子が悪くなりやすい傾向にあります。
そのため朝起きるのが苦手になったり、朝から仕事に行きたくなくなったりします。仕事を早く切り上げることも多く、徐々に勤怠が乱れがちになるのもメンタル不調者の特徴です。
仕事への意欲も低下して、出社自体を苦痛に感じるようになると、欠勤をすることも多くなります。
仕事のパフォーマンスが低下した
メンタル不調者は思考力や判断力、記憶力などの脳の機能が低下しやすくなります。セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質のバランスが崩れて、脳が正常に働かなくなるのです。
仕事のミスが増え、自信の喪失やモチベーションの低下につながり、さらに業務を遂行する能力が落ちます。急に今まで通りの業務ができなくなったり、ミスが増えたりした場合はメンタル不調が疑われます。
いつもと違う行動をしている
メンタル不調者に見られる行動の変化として、上司や同僚とのコミュニケーションを避けることや、周囲に対して攻撃的な行動をとることなどが挙げられます。
感情のコントロールができなくなり、イライラして周囲に感情をぶつける場面も見られます。
アルコールの摂取量や喫煙本数の増加が見られることもあり、明らかに以前とは違う行動をとるようになったら注意が必要です。
体調が悪い
メンタル不調に陥ると、精神面だけではなく身体面の不調を抱えることもあります。精神の変化は自律神経にも影響を与えるため、体調不良を抱えやすくなるのです。
たとえば次のような自律神経の乱れに由来した症状が見られるようになります。
- 頭痛
- 不眠
- 貧血やめまい
- 腹痛や吐き気
- 下痢や便秘の繰り返し
- 腰痛や肩こり、筋肉痛
- 疲労感や倦怠感
自律神経が乱れると、症状が安定せず、日ごとに不調の波が見られます。出勤のたびに、症状が変化する場合は、自律神経の乱れが疑われます。
いつもより元気がない
従業員の見た目に元気がないことも、重要な初期症状のサインです。たとえば、以前より無表情になったり、うつろな目をしていたりする場合は、メンタル不調の前兆かもしれません。
また見た目に気を使えなくなることで衣服が乱れる場合や、清潔感がなくなる場合もあります。見た目で明らかに元気がない様子がわかる場合、同僚や上司が相談にのり、必要に応じて産業医や精神科・心療内科への受診を促しましょう。
いつもよりイライラしている
急に怒りっぽくなることも、メンタル不調の特徴です。。感情が不安定になり、イライラして上司や同僚に反抗的な態度をとることもあります。周囲が驚くような大声を張り上げたり、暴力的になるケースも見られます。
本人から心身の不調について相談を受けた
メンタル不調を抱える本人から、心身の不調についての相談を受けるケースもあります。相談を受けた場合は、なるべく早く対策を講じることで従業員のメンタル不調の悪化を防げます。
とくに管理監督者にあたる上司が部下から人間関係や病気、体の不調の相談を受けた場合は、職場環境の改善を検討したり、専門家への受診を促したりすることが大切です。
次の記事では、管理職向けに部下へのメンタルヘルス対策について解説しているので、参考にしてください。
高ストレス者と判定された
従業員数が50人以上の企業では、従業員に対して年に1回のストレスチェックを実施することが義務付けられています。ストレスチェックを実施すると、メンタルヘルス不調者を早期に発見して精神疾患を未然に防げます。
ストレスチェックで高ストレス者と判定された従業員がいる場合は、面接指導を行うことが大切です。
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初期のメンタル不調への対処法
職場で初期のメンタル不調に気づいた場合、どうすればよいのでしょうか。初期のメンタル不調への対処法について、従業員が自分自身で気づいた場合と周囲が気づいた場合に分けて解説します。
従業員が自分自身で気づいたとき
従業員が自分自身で気づいた場合は、信頼できる人に相談しましょう。プライベートな悩みであれば家族や友人に相談したり、仕事の悩みであれば、上司や同僚に相談したりすることが考えられます。実際に家族や友人、上司、同僚などに相談する従業員は多いようです。
引用:令和元年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況|厚生労働省
相談相手がいない場合は、公的機関の担当者や専門家に相談する方法もあります。
2週間以上にわたってメンタル不調による症状が見られる場合は、精神科や心療内科を受診しましょう。その際は、産業医への相談も選択肢のひとつとなるでしょう。
周囲が気づいたとき
職場の上司や部下などの周囲が従業員の異常に気づいたときは、信頼関係を築いている人物が相談にのることが大切です。メンタル不調を抱えた場合、話を聴いてもらうだけでも安心したり、ストレスを軽減できたりします。
症状の長期化や悪化が見られる場合は、産業医や外部の精神科および心療内科の受診を勧めましょう。とくに管理者によるメンタル不調への対応は「ラインによるケア」として、厚生労働省のメンタルヘルス対策の一環として紹介されています。
次の記事では、管理職向けのメンタルヘルス対策について解説しているので、参考にしてください。
メンタル不調の初期症状に気づいたら適切に対処しよう
今回はメンタル不調の初期症状について、精神症状と身体症状、行動に現れる症状に分けて解説しました。職場で見られるメンタル不調の初期症状について具体的な事例も紹介しましたので、メンタル不調者の早期発見に役立ててください。
メンタル不調の初期症状に気づいたら、まずは従業員と信頼関係のある人物が話を聞いて、必要に応じて産業医や精神科・心療内科などの専門家への相談につなげることが大切です。メンタル不調者の初期症状に気づいたら、適切に対処して精神疾患を予防しましょう。
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