健康宣言とは?メリットや申し込み方法を解説


目次[非表示]

  1. 1.健康宣言とは
    1. 1.1.健康経営優良法人の認定要件の1つ
    2. 1.2.協会けんぽや健康保険組合が実施
  2. 2.健康宣言に取り組むメリット
    1. 2.1.従業員のパフォーマンス向上
    2. 2.2.人材の確保
    3. 2.3.労災リスクの軽減
    4. 2.4.ステークホルダーからの信頼性アップ
    5. 2.5.保険者や自治体からの健康経営に関するサポート
  3. 3.健康宣言の申し込みから完了までの流れ
    1. 3.1.健康づくり担当者の決定
    2. 3.2.取り組みを決める
    3. 3.3.健康宣言書の提出
    4. 3.4.健康経営の取り組みを開始
    5. 3.5.実施結果の報告
    6. 3.6.認定書の交付
  4. 4.健康宣言に取り組んでみよう

健康宣言とは、保険者が実施する健康経営に関連した事業です。

健康経営優良法人に認定されるためにも欠かせない取り組みなので、これから健康経営を実践する企業の担当者は、詳細について把握することをおすすめします。

この記事では、健康宣言の概要とメリット、申し込み方法を解説するので、参考にしてください。

健康宣言とは


健康宣言とは、健康経営に取り組むことを企業が内外に発信して、従業員の健康を促進することです。

健康経営優良法人に認定されるための要件の1つであり、協会けんぽや健康保険組合などの各保険者によって、健康経営を推進する事業の一環として実施されています。

健康経営優良法人の認定要件の1つ

健康宣言は健康経営優良法人の認定要件の1つです。

健康経営優良法人とは、健康経営を実践する優良企業をさします。健康経営を行う企業の見える化を目的に2017年から認定制度が開始され、認定を受けると企業の社会的評価が高まります。

求職者や金融機関、投資家などに企業ステータスの1つとしてアピールできるため、企業経営にとってもメリットが大きい点が魅力です。

健康経営優良法人の詳細については、次の記事を参考にしてください。


  【まとめ】「健康経営優良法人2022」認定基準・メリット・申請法を解説 2022年3月20日最終更新:申請方法や申請期間、認定までのステップや認定のメリットなど、健康経営優良法人に関する最新情報をまとめました。 エムステージ 産業保健サポート


協会けんぽや健康保険組合が実施

認定宣言事業は、協会けんぽや健康保険組合により実施され、各保険者によって事業名が異なります。

協会けんぽのなかから一部を紹介すると、次のとおりです。

  • 大阪府支部:健康宣言
  • 東京都支部:健康企業宣言
  • 京都府支部:京から取り組む健康事業所宣言

各都道府県の協会けんぽで実施される事業名は、東京商工会議所のホームページに一覧でまとめられています。

健康宣言に取り組むメリット

健康宣言に取り組むメリット

健康宣言に取り組むメリットは、次のとおりです。

  • 従業員のパフォーマンス向上
  • 人材の確保
  • 労災リスクの軽減
  • ステークホルダーからの信頼性アップ
  • 保険者や自治体からの健康経営に関するサポート

それぞれのメリットについて解説します。

従業員のパフォーマンス向上

健康宣言に取り組むと、従業員の仕事に対するパフォーマンス向上につながります。なぜなら、従業員の健康への意識が向上して、プレゼンティーズムの減少につながるからです。

プレゼンティーズムとは、何かしらの疾患や症状を抱えながら出勤している状態をさします。プレゼンティーズムの生産性に与える影響は大きく、ある調査によると企業が健康関連にかけるコストのうち7割以上が、プレゼンティーズムが要因になるという報告もあります。

プレゼンティーズムについては、次の記事を参考にしてください。

  プレゼンティーズム・アブセンティーズムとは?企業における損失と改善法を紹介 産業保健の分野で話題となることが多い「プレゼンティーズム」と「アブセンティーズム」。本記事では、初歩の部分から、健康経営や産業保健活動を通じた改善法をあわせて紹介します。 エムステージ 産業保健サポート

人材の確保

健康宣言は企業イメージの向上につながり、その結果優秀な人材の確保につながります。

経済産業省が発表した調査結果によると、就活生とその親は「従業員の健康や働き方に配慮している」ことを、就職先選びで重視していることがわかりました。


出展:経済産業省「健康経営の推進について」

以上の調査結果からも、健康宣言が新卒者に対するアピール手段の1つになることがわかります。

労災リスクの軽減

健康宣言に取り組むと、企業で働く従業員の健康状態を把握することにつながるため、過重労働による労災のリスクを軽減できます。

昨今は、とくに精神障害に関連した労災請求件数が大幅に増加傾向にあります。


出展:厚生労働省「過労死等防止対策白書」

過重労働による精神疾患の発病は現代社会の課題にもなっており、世間でも大きな関心を集めています。

労災リスクの軽減は、コンプライアンス上でも重要な意義があると考えられます。

ステークホルダーからの信頼性アップ

健康宣言を実施して健康経営優良法人に認定されると、ステークホルダーからの信頼性アップが期待できます。

優良法人認定を受けた企業に対して行った認定後の変化に関するアンケート結果は次のとおりでした。


出展:経済産業省「健康経営の推進について」

以上のなかから、ステークホルダーからの信頼性に関連する変化をあげると次のとおりです。

  • 顧客や取引先に対する企業イメージの向上
  • 従業員の仕事満足度・モチベーションの向上
  • 従業員の貢献意欲・帰属意識の向上

大規模・中小規模ともに、ステークホルダーからの評価が得られたとの声が聞かれたようです。

保険者や自治体からの健康経営に関するサポート

協会けんぽや健康保険組合は、健康宣言を実施した企業に対してさまざまな健康経営に関するサポートを行っています。

その一例をあげると、次のとおりです。

  • 健康経営に関するメールマガジンの送付
  • 提携金融機関からの借入の金利優遇
  • 健康経営のサポートブック・広報誌の提供
  • 広報誌に事例として紹介
  • 健康関連セミナーの提供
  • 歯科検診の実施
  • 従業員の健康データを統計・分析したカルテの提供
  • 健康経営優良法人取得のサポート
  • 健康経営の取り組みが優秀だった法人の表彰

各保険者によってサポート内容が異なるので、詳細については所属する組合にお問合せ下さい。

健康宣言の申し込みから完了までの流れ

保険者や自治体からの健康経営に関するサポート

健康宣言の申し込みをする場合、まずは協会けんぽや健康保険組合などの保険者に問合せましょう。保険者からエントリーシートの提供や申請フローに関する説明を受けられます。

ここでは協会けんぽ愛知支部を例に、以下のプロセスを解説します。

  1. 健康づくり担当者の決定
  2. 取り組みを決める
  3. 健康宣言書の提出
  4. 健康経営の取り組みを開始
  5. 実施結果の報告
  6. 認定書の交付

以上について解説しますが、保険者によって流れが異なりますので、詳細については所属する保険者にお問合せ下さい。

健康づくり担当者の決定

まずは事業所の規模に合わせて、1名から数名で健康づくり担当者を決めましょう。健康づくり担当者の役割は、従業員の健康促進を図るための環境作りです。また社員の健診受診率100%を目指して、推進活動を行います。

取り組みを決める

健康宣言の選択項目一覧のなかから、取り組む内容を1つ以上選択します。自社の健康課題を分析して、無理せず取り組めるものを選びましょう。

健康宣言書の提出

エントリーシートや健康宣言書、登録票に必要事項を記入して、所属する健康組合に提出します。FAXやインターネットなどで提出できます。

健康経営の取り組みを開始

健康経営の取り組みを開始します。

取り組む内容は保険者によって異なりますが、愛知支部の場合は次のとおりです。

  • 「法令遵守」で社員の健康と安全を守る
  • 社員の健診受診
  • 健康受診後の受診推奨
  • 健康サポート(特定保健指導)の実施
  • 各企業で選んだ取り組み

なお愛知支部の場合、健康宣言を掲示や自社ホームページで社内外に発信することを取り組みの1つに加えています。健康宣言の公開は、健康経営優良法人の認定を受けるために必要です。

保険者によっては愛知支部のように、健康経営優良法人認定制度の評価項目に沿った内容で健康宣言を実施しているところもあります。

実施結果の報告

健康宣言に一定期間取り組んだあとに、健康宣言取組結果報告書にて、取り組み内容や目標達成の状況について報告します。報告する時期については、保険者によって異なります。

認定書の交付

認定書の交付を受けます。保険者によっては、表彰制度が設けられていたり、取り組みへの評価結果に応じて認定がランク分けされていたりします。

健康経営優良法人の認定要件を満たす場合は、認定を受けるための申請をすることも可能です。

健康宣言に取り組んでみよう

健康宣言に取り組んでみよう

健康宣言に取り組むと、企業のイメージアップや保険者からの健康サポートなど、さまざまなメリットがあります。

今回は愛知支部を例に流れを解説しましたが、健康宣言の実施方法は所属する保険者によって異なります。

詳細については、所属する保険者に問い合わせてみてください。

サンポナビ編集部

サンポナビ編集部

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