〈セミナーレポート〉産業保健師が教える「職場環境改善の具体的施策」
2022年12月、産業保健サービスを提供する株式会社エムステージはオンラインセミナー「専門職が教える!職場環境改善の具体的施策~産業保健師編~」を開催。
講師は同社保健師として様々な企業での実務経験を持つ本田和樹氏。
企業の人事労務担当の方をはじめ、多くの方が参加されました。セミナーの様子をレポートします。(取材:サンポナビ編集部)
保健師が教える高ストレス職場改善の具体的方法
講師:本田和樹(ほんだ・かずき)株式会社エムステージ産業保健事業部保健師チームマネージャー代表。保健師、看護師、養護教諭1種、第一種衛生管理者、健康経営アドバイザー、医療経営士3級。看護師として急性期精神病院で5年間勤務したのち、2020年エムステージ入社。産業保健師の業務委託事業立ち上げに携わり、現在は複数の企業で保健師として実務を行う。労働と精神衛生についての啓蒙活動、寄稿なども行う。
ストレスチェックの基本的知識
冒頭、講師よりストレスチェックの法的義務や本来の目的など、基本的な内容についておさらい解説。
また、ストレスチェックにまつわる企業の実態として、その実施状況と集団分析結果の活用状況等を述べました。
ストレスチェックは、法的義務のある企業の95.6%が実施しているものの、集団分析およびその結果の活用については進んでいないところが多い。
「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然予防するためには、ストレスチェックの実施のみならず、その結果を活かして職場環境の改善に努めることが大切になる旨を解説しました。
ストレスチェック結果、保健師が注意するポイントは?
次に、保健師としてストレスチェック結果を確認する際に注意している点を挙げました。
診断結果における身体愁訴や抑うつ感といった項目から想定される状況と、それに対するアプローチについてコメント。
総合健康リスクの数値についても「昨年と比較してどのように変化しているか」「企業全体の数値と比べてどうか」など、様々な観点で確認することの重要性について語りました。
また、集団分析結果の取扱いと、それを踏まえた上司(管理職)の役割と、産業保健スタッフとの連携方法についても解説し、人事労務担当者が取り組むべき改善施策についても例を挙げて紹介しました。
職場環境改善を有効的に行うポイント
最後に、ストレスチェック結果を活用し、職場環境改善を行うための要点を解説。
意義のある職場環境改善にするためには、経営層のコミットメントが重要であることをはじめ、「従業員参加型」の施策にすること、従業員のモチベーション維持、そして単年度で終わらせず長期的にPDCAを回しスパイラルアップを図ることの大切さを述べ、盛会のまま幕を閉じました。
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