「健康投資管理会計ガイドライン」とは? 運用&会計開示のメリットを紹介

最終更新日:2020年8月28日

2020年6月「健康投資管理会計ガイドライン」が策定されました。

この記事では「健康投資管理会計ガイドライン」ってなに? というところから、企業での運用、会計を開示することのメリットについて紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.2020年に策定された「健康投資管理会計ガイドライン」とは?
    1. 1.1.「健康投資管理会計ガイドライン」とは?
    2. 1.2.「企業の健康経営ガイドブック」と「健康投資管理会計ガイドライン」の違い
  2. 2.どうやって運用する?健康投資管理会計ガイドライン
    1. 2.1.健康投資管理会計ガイドライン「運用の4ステップ」
      1. 2.1.1.ステップ①:健康経営の戦略を設定する
      2. 2.1.2.ステップ②:健康経営を実施する
      3. 2.1.3.ステップ③:健康経営の取組みを評価する
      4. 2.1.4.ステップ④:企業内部の「改善」、投資家など外部との「会話」につなげる
  3. 3.健康投資管理会計ガイドラインから読む、会計開示の市場メリット
    1. 3.1.健康投資管理会計を開示することは、外部からの評価向上のメリットがある
    2. 3.2.株価の評価だけじゃない。健康投資管理会計を開示する市場でのメリット


2020年に策定された「健康投資管理会計ガイドライン」とは?

「健康投資管理会計ガイドライン」とは?

2020年6月、経済産業省は「健康投資管理会計ガイドライン」を策定しました。

健康投資管理会計ガイドラインとは、企業や団体が取り組む健康経営をステップアップさせるための「内部管理手法」と、企業外部との「対話」の内容を示したものです。

具体的には、健康経営に関する様々な取組を「量的・金銭的指標を使って見える化」することで、健康経営をより継続的・効率的・効果的に実施することが期待できます。

また、健康投資管理会計ガイドラインに沿った活動を行い、健康の数値を「見える化」することで、株主や地域社会といった外部ステークホルダーとの対話が可能になる、といったメリットがあるのです。

●「健康投資管理会計ガイドライン」を運用するメリット

・内部機能:健康経営をより継続的かる効率的・効果的に実施することができる

・外部機能:健康経営の取り組み状況について、外部と適切に会話することができる


「企業の健康経営ガイドブック」と「健康投資管理会計ガイドライン」の違い

2016年に経産省が公表した「企業の健康経営ガイドブック」では、健康経営に関する基礎的な内容や取組について解説がなされていました。

つまり、このガイドブックの対象となっているのは「これから健康経営を始める企業」あるいは「健康経営を始めたばかりの企業」でした。

一方、新しく公表された「健康投資管理会計ガイドライン」は、すでに健康経営を開始していて、効果分析や評価方法を模索している企業向けとなっています。

「企業の健康経営ガイドブック(経済産業省)」はこちらから確認できます。

●「企業の健康経営ガイドブック」と「健康投資管理会計ガイドライン」のおもな違い

・「企業の健康経営ガイドブック(2016年)」

→健康経営をこれからはじめる・始めたばかりの企業向け

・「健康投資管理会計ガイドライン(2020年)」

→健康経営のPDCAを回していて、効果分析や評価方法を模索している企業向け


どうやって運用する?健康投資管理会計ガイドライン

健康投資管理会計ガイドライン「運用の4ステップ」

健康投資管理会計ガイドラインを運用するための流れは「健康経営の戦略設定」にはじまり「改善・対話」という目的地まで、4つのステップが設定されています。

一つずつ確認してみましょう。

ステップ①:健康経営の戦略を設定する

・健康経営を実践し、達成したい目標(KPI)の設定

・目標達成のための健康経営施策の検討


ステップ②:健康経営を実施する

・健康経営施策の実施(=健康投資)

・健康投資管理会計ガイドラインに基づき健康投資額を把握


ステップ③:健康経営の取組みを評価する

・健康投資額と照らし投資効果を分析

・KPIの達成状況を把握


ステップ④:企業内部の「改善」、投資家など外部との「会話」につなげる

・内部機能:健康経営施策の改善

・外部機能:投資対効果の結果について情報開示、ステークホルダーとの会話


●「健康投資額」とは?

健康投資額は毎年、企業等が財務諸表において費用として計上するものを主として指し、企業等の資産の減価償却費も含むものとする。また、人的リソースのみを活用した投資(人件費)も含んでいます。

また、健康投資の中には健康資源への蓄積に寄与するものもある。特に有形資源には減価償却費を除いた資産価値が計上されます。

なお、企業等の健康投資の状況については、金額の多寡で判断すべきものではなく、コストの性格、その企業等の業種・業態、過去の取組状況等を踏まえて判断することが重要です。

健康投資額の把握は内部管理を主な目的としたものであり、例えば、社内で取組を行うことによって発生する人件費とその取組を外部に注文した際の外注費を比較し、その取組を内製化するのか外注するのかを決定する際等に有効です。一方で、健康投資額を外部に開示する際には金額の多寡が重視されないように工夫が必要です。

引用:経済産業省「健康投資管理会計ガイドライン」


健康投資管理会計ガイドラインから読む、会計開示の市場メリット

健康投資管理会計を開示することは、外部からの評価向上のメリットがある

近年では、健康経営に投資する企業が急増しています。

その背景にはESGの観点から「従業員の健康度が高い=企業の労働生産性やエンゲージメントが高い」という事実を投資家などにアピールできることにあると言われています。

このように「どこまで健康について投資しているか」という健康投資管理会計の情報を開示することには、外部からの評価向上につながるため、注目が高まっているのです。

なお、健康投資管理会計の情報開示の前に「健康経営戦略」を開示することが大切です。

●健康投資管理会計の主な開示方法

・中期経営計画、統合報告書、CSR報告書、投資家向け説明資料、有価証券報告書、企業のホームページ など


株価の評価だけじゃない。健康投資管理会計を開示する市場でのメリット

健康投資管理会計の内容を開示することのメリットは、株価への好影響にとどまらないといわれています。

例えば労働市場。「健康に投資するホワイト企業」として評価されることにより、新卒求職者からのイメージアップにつながります。

また、既存従業員のエンゲージメントが向上することで離職率の低下が期待できます。

その他にも、企業のブランディングや認知度の向上にもつながることが想定されますので、サービスの市場でも大きなメリットがあるといわれています。

「健康投資管理会計ガイドライン」の内容や会計開示のメリットについて紹介しました。

なお、健康投資については産業医の選任や、産業医と連携した活動の費用なども含まれますので、まずは社内の産業医と相談して進めてみるのはいかがでしょうか。


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