2020年対応必須!職場の受動喫煙対策&健康増進法3つのポイント

(最終更新日:2020年3月31日)

「改正健康増進法」が2020年4月からついにスタートします。

東京オリンピックの開催も控えており「禁煙」に対する意識が、日本全国で向上しています。

2018年6月に「東京都受動喫煙防止条例」が制定され、同年7月には「健康増進法」が改正されたことで、受動喫煙防止対策についての新しいルールが生まれました。

公共施設ではすでに対策がスタートしていますが、2020年4月1日には職場でも受動喫煙防止の対策をする義務が発生し、対応していない企業には罰則を課せられる可能性もあります。

職場での対応はお済ですか?

法制度が施行される時期や企業での対応方法など、知っておくべきポイントについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.ポイント①:改正健康増進法の施行時期に対応する
    1. 1.1.改正健康増進法・受動喫煙防止条例のねらいとは?
    2. 1.2.改正健康増進法と受動喫煙防止条例がスタートする時期は?
      1. 1.2.1.●改正健康増進法の施行時期
      2. 1.2.2.●受動喫煙防止条例(東京都内)の施行時期
  2. 2.ポイント②:〈健康増進法〉義務を守れない場合の罰則に注意する
    1. 2.1.企業に課せられた受動喫煙防止対策の義務とは?
    2. 2.2.受動喫煙防止の義務に違反した時の罰則は?
  3. 3.ポイント③:受動喫煙防止のため、企業でとるべき対策を知る
    1. 3.1.企業で受動喫煙防止対策をするときの主な3つのパターン
    2. 3.2.「喫煙室」の条件を満たす基準とは?

ポイント①:改正健康増進法の施行時期に対応する

改正健康増進法・受動喫煙防止条例のねらいとは?

たばこが健康にとって有害であることは周知の事実ですが、たばこから発生する副流煙は、たばこを吸わない人にも「受動喫煙」という形で悪影響を及ぼします。

改正された健康増進法と受動喫煙防止条例制定のねらいは、公共交通機関やオフィスなどさまざまな場所で、望まない受動喫煙を防ぐ取組みを進めていくことにあります。

こうした取組みを東京オリンピック・パラリンピック開催までに段階的に施行することで、喫煙行為を「マナー」から「ルール」にするという目標があります。


改正健康増進法と受動喫煙防止条例がスタートする時期は?

改正健康増進法は国の定めた法律、受動喫煙防止条例は東京都の制定した条例という違いがあります。2つのルールは細部こそ異なるものの、「望まない喫煙をなくす」という共通した趣旨があります。

施設の種類によって段階的に順次施行されることが決まっており、スタートする時期は以下のようになっています。

●改正健康増進法の施行時期

学校や病院、児童福祉施設、市役所などの行政機関では、2019年7月1日からすでに施行されています。そして、オフィスや飲食店などの場所では2020年4月1日から全面的に施行されます


●受動喫煙防止条例(東京都内)の施行時期

2019年9月1日より、東京都の飲食店では店内の喫煙状況を店頭に表示することがすでに義務付けられています。

東京都にオフィスがある企業も、健康増進法と同様に2020年4月1日からルールが適用されます。


ポイント②:〈健康増進法〉義務を守れない場合の罰則に注意する

企業に課せられた受動喫煙防止対策の義務とは?

喫煙に関するルールは施設の種類ごとに異なりますが、般的な企業のオフィスでは原則的に屋内が禁煙になります。

また、いくつかの禁止されている行為があり、これらを守る義務があります。

〈すべての人を対象とした義務〉

・喫煙を禁止されている場所での喫煙

・あたかも喫煙が可能であるような標識を掲示すること

・禁煙を表す標識を汚すことなど


〈施設の管理権限者に課される義務〉

・喫煙を禁止されている場所に喫煙器具や設備(灰皿)などを置くこと

・喫煙室に未成年者を立ち入らせないこと

※施設の「管理権限者」とは、一般的に建物の所有者や管理者またはテナントを経営している人を指します。


受動喫煙防止の義務に違反した時の罰則は?

義務に違反した場合、まずは都道府県知事から「指導」が入ります。

管理権限者がこの指導に従わない場合には、義務違反の内容に応じて「勧告」や「命令」等が行われてしまうだけでなく、悪質な場合には企業名を「公表」されてしまう可能性もあります。

そして、それでも改善が見られない場合には、都道府県知事が地方裁判所に通知し、罰則(過料)が適用されることとなります。

このように、罰則を受けることは企業にとって大きなダメージになることが考えられます。


ポイント③:受動喫煙防止のため、企業でとるべき対策を知る

企業で受動喫煙防止対策をするときの主な3つのパターン

原則として屋内は禁煙というルールですが、経営者が喫煙を認める場合には喫煙専用室などを設置する必要があります。企業には主に以下の3つのパターンで対応することが求められています。

①屋内を完全禁煙にする


②喫煙専用室を設置する

※紙巻きたばこの喫煙を可とする場合には飲食禁止


③加熱式たばこ専用の喫煙室を設置する

※入口に標識を掲示することで飲食も可能

②、③に関しては出入口に定められた標識を掲示する義務があります。また、喫煙室から煙が漏れ出さないように措置することも必要です。


「喫煙室」の条件を満たす基準とは?

職場において、単純に「ここが喫煙室です」と定めるだけではNGです。

喫煙室として認められるためには基準を満たしている必要があります。

既存の喫煙室も基準を満たしていない場合には見直しが必要となります。

条件に付いては以下のよう定められています。

①出入口において、室外~室内に流入する空気の気流が0.2毎秒以上であること。

②たばこの煙が室内から流出しないよう、壁や天井などによって区画されていること。

③たばこの煙が屋外または外部の場所に排気されていること。

出典:東京保健福祉局「東京都受動喫煙防止条例 よくあるお問合せ(対象施設)

なお、企業の業種によっては喫煙室を設置した際にかかった費用が助成される制度もありますので、詳細は厚生労働省のホームページにて確認してみてください。

出典:厚生労働省「受動喫煙防止対策助成金のご案内

いかがでしたでしょうか。

企業は、基準を満たした喫煙室を設置するか、あるいは社内を完全禁煙にするかの選択を迫られています。

禁煙・喫煙環境をどのように設定するかについて、まずは衛生委員会などで審議し、的確に判断をしていく必要があります。

また、受動喫煙による健康被害を訴える従業員が現れた場合には、訴訟などのリスクも考えられますので、産業医などの専門家による職場巡視を行うなどして、期限までに禁煙・喫煙環境を適正化していくことが重要です。


【2020年3月追記:この内容に関連したアクセス増加中の記事】


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