健康経営に不可欠な「女性の健康推進」企業の現状と施策について紹介

日本で働く人の4割以上は女性ですが、女性には特有の不調や疾患などがあります。よって、健康的に働くためには企業からのサポートが必要とされています。

本記事では、働く女性の健康課題の現状とともに、企業で取り組む施策を紹介します。

参考:経済産業省「健康経営における女性の健康の取り組みについて」

目次[非表示]

  1. 1.女性の健康推進が重要視される背景と現状
    1. 1.1.女性の健康推進が企業にて重要視される背景
    2. 1.2.女性特有の健康課題に関する損失は年間4,911億円と試算されている
  2. 2.職場における女性の健康課題と求められている支援
    1. 2.1.女性の健康推進では職場におけるリテラシーが課題
    2. 2.2.働く女性が必要としている支援の内容とは
  3. 3.女性の健康推進施策を通じて健康経営を
    1. 3.1.女性の健康を支援することが健康経営につながる
      1. 3.1.1.①リテラシーの向上
      2. 3.1.2.②相談窓口の設置
      3. 3.1.3.③働きやすい環境整備


女性の健康推進が重要視される背景と現状

女性の健康推進が企業にて重要視される背景

内閣の提唱する「一億総活躍社会」を実現するためには、高齢者や女性等、さまざまな方が健康的に長く働くことが必要になります。

一方で、わが国の労働人口は年々減少が進んでいます。

(独)労働政策研究・研修機構の調査によると、2020年の時点では約6,868万人いた労働人口も、2040年には約6,195万人まで減少することが予測されています。

そして、経済産業省の調査では、健康経営の取組みの中で関心が高いものという「女性の健康問題対策」が56%で最多となっています。

また「健康経営優良法人」の認定項目の中に「女性の健康保持・増進に向けた取り組み」が盛り込まれるなど、企業においてはこれまで以上に女性の健康推進が重要視されているのです。


女性特有の健康課題に関する損失は年間4,911億円と試算されている

働く女性の活躍は、企業の業績や生産性に大きく貢献します。

しかし、女性には月経やPMS(※)に関連する不調や婦人科の疾病、妊娠・出産、更年期と、男性には無い特有の健康課題があります。

特に月経に伴う症状や不調の経済的損失は年間で4,911億円とも試算されていることも考えると、企業にとって女性の健康を適切に支援することは不可欠といえます。

また、健康課題によって職場で困った経験を持つ女性は多く「なんらか困った経験

を有している」と回答した方は半数以上の51.5%となっています。

※PMSとは、Premenstrual Syndromeの略で、生理が始まる前の3日~10日前に起こる、心と身体の様々な不調を指します。


職場における女性の健康課題と求められている支援

女性の健康推進では職場におけるリテラシーが課題

女性の健康推進で壁となっているのが、職場における理解のレベル(リテラシー)が高まっていない現状です。

例えば、月経随伴症など女性の健康課題に関し、前述した経済的損失等への影響について70%以上の回答者が「知らなかった」あるいは「わからない」と回答しています。

これは男性の管理職のみならず、働く女性自身が知識を持っていないケースも多いため、健康推進を行う上で課題とされています。

また、女性の健康推進に関する取組みを行っていない企業は多く、生理休暇を導入している企業は20%程度ありますが、乳がんや子宮頸がん検診などの受診を促進しているのは15%未満です。

このように、働く女性が企業に配慮を求めていても、企業側の支援やサポートが追い付いていないケースがあります。

出典:経済産業省「健康経営における女性の健康の取り組みについて」


働く女性が必要としている支援の内容とは

では、働く女性が求めている会社からの支援とはどのようなものでしょうか。

経済産業省が行った調査では、女性特有の健康課題を理由に、43%の女性従業員が「職場であきらめた経験がある」と回答しています。

あわせて、働く女性が求めているサポートについて最も多かったのが「会社による業務分担・適切な人員配置(41%)」、次いで「両立のための休暇制度や柔軟な勤務形態を支えるサポート(33%)」「上司や部署内でのコミュニケーション(32%)」となっており、働き方の部分だけでなく、人間関係についても課題を抱えている女性が多いことも分かります。

また、女性の部下を持つ管理職も対応に困惑しているケースがあるようです。

管理職としては専門家(産業医や婦人科医、カウンセラー、アドバイザーなど)への相談窓口の設置希望が最多となっており、今後は専門家や外部からのサポートの重要性が増してくることが考えられます。


女性の健康推進施策を通じて健康経営を

女性の健康を支援することが健康経営につながる

女性の健康推進について取り組むことは、働く女性の休職・離職の防止や生産性向上、そして健康経営への効果が期待できます。

企業が女性の健康推進に取り組むための施策については、大き分けて①リテラシーの向上、②相談窓口の設置、③働きやすい環境整備の3つがあります。

それぞれ確認してみましょう。


①リテラシーの向上

まずは、“女性の健康”に関するリテラシーを向上させることが大切であり、男性従業員や管理職をはじめ、働く女性自身も自らの体調・健康に関する対処法を知ることは、健康推進の第一歩といえます。

リテラシーを向上させる具体的な方法ついては、女性の健康(不調・疾病等)をテーマとした研修・セミナーを職場で開催すること等が挙げられます。


②相談窓口の設置

次に、相談窓口の設置についてです。

働く女性が不調等について相談することや、管理職が部下への対処法を相談できる窓口を設置することで、不安の軽減などに期待ができます。

また、相談窓口として外部EAPサービスを活用する例も増えています。


③働きやすい環境整備

3つめは、働きやすい環境の整備についてです。

リモートワークの導入や休暇制度等を整備し、管理職や男性社員も一緒に実践することで、女性従業員も働きやすい環境の構築につながります。

女性の健康推進の要点について紹介しました。

今後、ますます活躍に期待が高まる女性社員。女性が健康的に働き続けられるよう、企業としてもサポートしていくことが大切です。


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サンポナビ編集部

サンポナビ編集部

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