〈どう取り組む?〉健康経営を通じて企業がSDGsの達成を目指すには
企業の活動などで注目が高まっている「SDGs」をご存知でしょうか。
SDGs経営に取り組むことは、企業にとっても大きなメリットがあると言われています。
ここでは、健康経営を軸にしたSDGsの推進について紹介します。
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「SDGs」とは?~企業における推進のメリット
そもそも「SDGs」とは何か
最近よく「SDGs」という言葉を目にしませんか?
SDGsとは、2015年9月、国連サミットで合意された世界共通の目標「Sustainable Development Goals」の頭文字を取ったもので、日本では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。
SDGsで掲げられている目標には17のゴールがあり、2030年までに達成することを目指しています。
また、SDGsにおけるゴールを達成するためには企業の取組みが不可欠であること、そして、近年では、SDGsの活動を推進していく「SDGs経営」が企業価値を高めることにつながるといわれ、特に注目が高まっているのです。
SDGsの17の目標については以下の図のようになっていますので、チェックしておきましょう。
画像出典:外務省ホームページより
企業におけるSDGs・健康経営推進のメリット
「SDGsを推進することが世の中にとって良いことなのはわかるけど、会社にとってのメリットは何だろう?」と考える方も多いでしょう。
しかし、SDGs経営を推進することは数多くのメリットがあるのです。
例えば、SDGs経営を推進するためには、健康経営に関する活動を充実させることが大切になります。
そして、企業が行う健康への投資が実を結ぶことは、生産性の向上や、離職・休職の防止にもつながり、結果として採用率や企業のイメージアップが期待できます。
また、SDGs経営・健康経営の推進を対外的に見れば、投資家や顧客、取引先等といったステークホルダーからの評価向上につながるというメリットがあります。
近年ではこうした「非財務情報」がステークホルダーから重要視される傾向があり、SDGsに取り組んでいるかどうかは「企業活動は未来志向であるか」「長期的な視点で活動をしているか」をPRすることにもつながるため、企業の内外にメリットがあるといわれているのです。
企業がSDGs経営に取り組まないことのリスクは?
企業におけるリスク。SDGs経営に取り組まない場合はどうなるの?
SDGsへの取組みや、健康経営の推進を「コスト」として考えられがちですが、長期的に見た場合、企業にはメリットが多いため「投資」として捉えることが大切です。
また、これまでSDGs経営のメリットについて見てきましたが、SDGs経営に取り組まなかった場合のリスクについても確認しておくことが大切です。。
SDGs経営に取り組む企業が増えている昨今では、取り組まない場合のリスクも気になるとこでしょう。
経済産業省の「SDGs経営ガイド」によれば、SDGs経営に取り組まなかった場合のリスクについて、次のように示しています。
・SDGsに取り組まなかった場合の「リスク」として、企業の評判が下がる、規制が強化された際に規制に抵触する、消費者が商品を購入してくれなくなる、といったものがある。
・以前はESGやサステナビリティに関する取組を先んじて行うことにより、中期的な企業価値が上がり競争力向上につながると考えていたが、最近はどの企業も取り組んでいるため、取り組まないこと自体がリスクであると、見方を変えている。
出典:経済産業省「SDGs経営ガイド」
健康経営を通じてSDGs達成を目指す
「健康経営優良法人」認定企業の中には、健康経営を基盤とした活動でSDGsに取り組む企業も多いです。
健康経営を通じ、SDGsの目標である⑧の「働きがいも経済成長も」等の達成を目指すことが出来ます。
また、適切な産業保健活動に取り組むことは、医療費の削減にもつながりますので③の「すべての人に健康と福祉を」にも貢献します。
その他にも、長く働き続けることが出来る企業では⑨の「産業と技術革新の基盤をつくろう」にも寄与します。
これらは業種に関係なく全般の企業に当てはまりますが、自社の業種が地域貢献や環境保全事業であれば、その事業を行う従業員の健康が確保されることで、SDGsの他の目標にも貢献することが出来るのです。
健康経営を基軸に、SDGsの達成を目指すには
SDGsの達成に寄与する「健康経営」は何から取り組むべきか
健康経営を始めるには、トップや経営層の意識改革も必要です。
まずは、健康経営が単なるコストではなく投資であることを理解し、適切な活動を進めていくことが求められています。
「何から取り組むべき?」とお悩みの場合には、経済産業省のホームページ等に数多くの企業事例が公開されていますので、参考にしてみると良いでしょう。
経済産業省:「健康経営優良法人 取り組み事例集」
また、自社で健康経営に取り組む際に注意したいのが「健康経営のゴールを設定するだけ」「健康経営をブームにしてしまう」といった事態です。
そのためにも、経営層と従業員がよく話し合い「持続可能な目標」を設定し取り組むことが大切です。
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SDGsの達成には、全社員の協力が必要
SDGsが目指す17の目標には「地球上の誰一人として残さない(leave no one behind)」というものが謳われています。
同時に、SDGsの達成には多くの人の協力が必要といえます。
企業単位で見れば、会社のトップだけでなく、全社員の協力が欠かせません。
例えば、従業員が長く健康的に働くためにも、健康診断を必ず受診すること、ストレスチェックを受検することが、健康活動の土台になります。
また、健康経営を進めて行く上では、産業医や保健師といった専門的なスタッフから助言をもらうことや、相談することも効果的です。
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社会のためだけでなく、企業自体にとっても多くのメリットがあるSDGsへの取組み。
健康経営に関する費用を「コスト」ではなく「投資」と考え、取り組んでみてはいかがでしょうか。