〈2020年版〉「母性健康管理措置」就業規則・助成金・人事対応まとめ

最終更新日:2020年7月21日

妊娠中の女性従業員の健康を確保するため、企業がとるべき配慮として「母性健康管理措置」があります。

今年は、その母性健康管理措置に新型コロナウイルスに対応した項目が追加されました。

申し出があった際に、人事・衛生担当者が知っておきたい対応方法についてまとめました。


目次[非表示]

  1. 1.人事担当者が知っておきたい「母性健康管理措置」新型コロナによる追加事項・対象期間
    1. 1.1.新型コロナにより「母性健康管理措置」に項目が追加。その内容は?
    2. 1.2.「母性健康管理措置」新型コロナで追加された内容と対象期間はいつからいつまで?
  2. 2.就業規則で規定する?母性健康管理措置の「事前準備」と「対応の流れ」
    1. 2.1.〈事前準備〉母性健康管理措置に対応するために人事が知っておきたいこと
    2. 2.2.〈対応の流れ〉「母健連絡カード」を受け取った後、人事はどうすればいい?
  3. 3.〈条件・申請期間・就業規則は?〉母性健康管理措置の「助成金」
    1. 3.1.母性健康管理措置「助成金」の条件と申請期間
      1. 3.1.1.母性健康管理措置の助成金の金額・申請期間
    2. 3.2.就業規則に規定しなくても助成金の対象になる?


人事担当者が知っておきたい「母性健康管理措置」新型コロナによる追加事項・対象期間

新型コロナにより「母性健康管理措置」に項目が追加。その内容は?

妊娠中の働く女性に関する配慮である「母性健康管理措置」。

2020年には、新型コロナウイルスに関する措置の内容が新たに規定されました。

これは、端的に言えば妊娠中の女性従業員に対し、企業が新型コロナウイルスの感染防止(と、感染のおそれに関する心理的ストレスへの対応)を行うことが義務化されたものです。

人事担当者は何をすればいいの?

人事部門などの担当者が行う対応の詳細については後述しますが、アウトラインとして、例えば妊娠中の女性従業員から、指導事項が記載された「母健連絡カード」の提出があった場合に、感染のおそれが低い業務に変更する、あるいは出勤の制限を行うなどの対応が必要となります。


「母性健康管理措置」新型コロナで追加された内容と対象期間はいつからいつまで?

母性健康管理措置の対象となる期間は2020年5月7日から2021年1月31日(※)までです。

この期間内、企業は妊娠中の女性従業員に対して必要な措置を講じることが求められています。

※新型インフルエンザ等対策特別措置法において新型コロナウイルス感染症を適用対象とする暫定措置の期限を踏まえて設定されている期間です。


就業規則で規定する?母性健康管理措置の「事前準備」と「対応の流れ」

〈事前準備〉母性健康管理措置に対応するために人事が知っておきたいこと

次に、企業の人事・衛生担当者が、母性健康管理措置に取り組む際に知っておきたいことについて紹介します。

女性の従業員から、こちらの「母健連絡カード」(画像)が提出された際、慌てないように事前の準備をしておきましょう。

画像出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に関する 母性健康管理措置について」

まずは、社内の準備として、申し出のあった女性従業員が働き続けられるような配慮をする必要があります。

具体的には「有給休暇の特別休暇制度を導入する」「テレワーク・時差出勤を活用する」などが挙げられます。

また、それだけでなく、業務の内容そのものが新型コロナウイルスに感染するおそれがあるような場合、妊婦の方に心理的ストレスが発生しないよう、何らかの配慮が求められます。

母健連絡カードの提出があったことを理由に「退職を迫る」ことや「給与を減らす」ことなど、不利益な取り扱うことは禁じられています。


〈対応の流れ〉「母健連絡カード」を受け取った後、人事はどうすればいい?

母健連絡カードを受け取ったら、主治医の記載に従って何等かの措置を講じる必要があります。

しかし「具体的にどのような配慮をしていくべきか」といったいくつかの判断は、企業の人事担当者や事業主だけで行うことは難しいでしょう。

また、妊娠している女性従業員が「企業でどのような働き方をしているか」ということについて、主治医が知っている情報は限られています。

そこで、厚生労働省では「産業医などの産業保健スタッフに相談し、その助言をもとに女性労働者と話合って決めることが望ましい」としています。

産業医であれば、企業で行われている業務の内容などについても把握している情報が多いはずです。

母性健康管理措置の配慮内容については、産業医に相談することが大切になります。


〈条件・申請期間・就業規則は?〉母性健康管理措置の「助成金」

母性健康管理措置「助成金」の条件と申請期間

母性健康管理措置として、女性従業員に休暇を取得してもらった場合などに、事業主の方は助成金を受け取ることができます。

条件と申請期間については次のように決められていますので、事前に確認しておきましょう。

母性健康管理措置「休暇取得支援助成金」の対象となる期間と条件

令和2年5月7日から同年9月30日までの間に

❶ 新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として、医師または助産師の指導により、休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が取得できる有給の休暇制度(年次有給休暇を除き、年次有給休暇の賃金相当額の6割以上が支払われるものに限る)を整備し、

❷ 当該有給休暇制度の内容を新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の内容とあわせて労働者に周知した事業主であって、令和2年5月7日から令和3年1月31日までの間に(※)

❸ 当該休暇を合計して5日以上取得させた事業主

(※新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の告示の適用期間)


母性健康管理措置の助成金の金額・申請期間

母性健康管理措置により女性従業員に休暇を取らせた場合の助成金「休暇取得支援助成金」の金額と申請期間については次のようになっています。

※前述した「母性健康管理措置の対象となる期間」と、この「助成金の申請期間」は異なりますので注意します。

「休暇取得支援助成金」の金額

対象となる労働者1人当たり

・有給休暇計5日以上20日未満で25万円

・以降20日ごとに15万円加算(上限額:100万円)

※1事業場あたり20人まで

●申請期間

令和2年6月15日から令和3年2月28日まで



就業規則に規定しなくても助成金の対象になる?

就業規則として規定しなくとも、母性健康管理措置の助成金の対象なります。

ですので、既存の特別休暇の対象に含まれることを社内に明示し、従業員に周知することでも対象となります。

※就業規則にて新たな休暇制度を設ける場合には、必ず労働基準監督署に届け出る必要があるので注意します。

人事が知っておきたい「母性健康管理措置」の対応について確認できましたか?

何も配慮をしなかった場合には男女雇用機会均等法に違反する可能性もありますので、適切な措置を講じるようにしましょう。


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