メンタルヘルス・マネジメント検定ってどんな試験?よくある疑問をQAで解説


職場での心の健康管理(メンタルヘルス・マネジメント)の取り組みが重要視される中、

メンタルヘルス・マネジメント検定試験」が注目を集めていています。

コースの違いや内容、難易度などよくある疑問にお答えします。


<目次>

Q1 メンタルヘルス・マネジメント検定試験って?

Q2 メンタルヘルス・マネジメント検定のコースの種類は?

Q3 各コースの出題内容は?

Q4 過去問はあるの?

Q5 受験資格はあるの?

Q6 受験者数はどれくらい?

Q7 各コースの試験の合格基準と合格率は?

Q8 受験日はいつ?

Q9 合格後の流れは?

Q10 ほかのメンタルヘルスケア関連資格や研修との違いは?


Q1 メンタルヘルス・マネジメント検定試験って?


メンタルヘルス・マネジメント検定試験は

働く人たちの心の不調を未然に防ぎ、活力ある職場づくりを目指すために、職場での役割に応じて「メンタルヘルスケア」を学ぶ検定試験です。


高度な専門知識や臨床的技術ではなく、メンタルヘルスに関する基礎的知識や、対処方法について学ぶことができます。

厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を受け、大阪商工会議所と施行商工会議所が実施しています。

労働者の心の健康の保持増進のための指針


厚生労働省が職場でのメンタルヘルスケアの原則的な実施方法を定めたもので、「メンタルヘルス指針」とも呼ばれています。

平成18年(2006年)に策定、平成27年(2015年)に改定されました。


職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針


職場のメンタルヘルス対策を効果的に進めるためには、

会社としての取り組みとともに、その関係者である人事労務管理スタッフ、管理職、一般社員がそれぞれの役割を認識し、メンタルヘルスに関する正しい知識を持つことが大切です。


メンタルヘルス・マネジメント検定では、職場での役割によって3つのコースが設定されているので、ご自身のニーズに合わせて選択してみてください。


Q2 メンタルヘルス・マネジメント検定のコースの種類は?


試験は、Ⅲ種(セルフケアコース)、Ⅱ種(ラインケアコース)、Ⅰ種(マスターコース)の3コースに分かれています。

それぞれの対象と学べる内容を確認してみましょう。


Ⅲ種(セルフケアコース)

対象:一般社員

到達目標:自らのストレスの状況・状態を把握することにより、不調に早期に気づき、自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができる


Ⅱ種(ラインケアコース)

対象:管理監督者(管理職)

到達目標:部下が不調に陥らないよう普段から配慮するとともに、部下に不調が見受けられた場合には安全配慮義務に則った対応を行うことができる


Ⅰ種(マスターコース)

対象:人事労務管理スタッフや経営幹部

到達目標:自社の人事戦略・方針を踏まえた上で、メンタルヘルスケア計画、産業保健スタッフや他の専門機関との連携、従業員への教育・研修等に関する企画・立案・実施ができる


コース名にある「セルフケア」「ラインケア」とは?


◇セルフケア【Ⅲ種の対象】

労働者自身がストレスに気付き、対処するための知識、方法を身につけて実施する


◇ラインによるケア【Ⅱ種の対象】

管理監督者が、心の健康に関して職場環境の改善や労働者への相談対応をする


メンタルヘルス指針によると、

メンタルヘルスケアは


①セルフケア

②ラインによるケア

③事業場内産業保健スタッフ等(産業医や衛生管理者、保健師ら)によるケア

④事業場外資源(専門的な知識を持つ外部の人やサービス)によるケア


の4つのケアが継続的かつ計画的に行われることが重要です。


人事労務管理スタッフ、管理職、一般社員、職場内の産業保健スタッフ、外部の専門家―。

それぞれが、職場のメンタルヘルス対策の担い手になります。


Q3 各コースの出題内容は?


メンタルヘルス・マネジメント検定試験の公式ページでは、試験出題内容として3つのポイントを示しています。

①疾病の未然防止と健康増進に重点を置いています

②管理監督者による部下のケア、組織全体による職場・従業員のケアを促進します

③産業保健だけでなく、人事労務管理の観点も重視しています


コース別に、設定されている目的と、出題内容を見てみましょう。


Ⅲ種(セルフケアコース) 【一般社員対象】

目的は、組織における従業員自らのメンタルヘルス対策の推進です。

<出題内容>

① メンタルヘルスケアの意義

② ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識

③ セルフケアの重要性

④ ストレスへの気づき方

⑤ ストレスへの対処、軽減の方法


Ⅱ種(ラインケアコース) 【管理職対象】

目的は、部門内、上司としての部下のメンタルヘルス対策の推進です。

<出題内容>

① メンタルヘルスケアの意義と管理監督者の役割

② ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識

③ 職場環境等の評価および改善の方法

④ 個々の労働者への配慮

⑤ 労働者からの相談への対応 ※話の聴き方、情報提供および助言の方法など

⑥ 社内外資源との連携

⑦ 心の健康問題をもつ復職者への支援の方法


Ⅰ種(マスターコース) 【人事労務管理スタッフや経営幹部対象】

目的は、社内のメンタルヘルス対策の推進です。

<出題内容>

① 企業経営におけるメンタルヘルス対策の意義と重要性

② メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務部門の役割

③ ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識

④ 人事労務管理スタッフに求められる能力

⑤ メンタルヘルスケアに関する方針と計画

⑥ 産業保健スタッフ等の活用による心の健康管理の推進

⑦ 相談体制の確立

⑧ 教育研修

⑨ 職場環境等の改善


おおまかな試験内容がイメージできましたか?


Q4 過去問はあるの?


メンタルヘルス・マネジメント検定試験のパンフレットには、

過去問題が各コース一問ずつ紹介されています。


Ⅲ種(セルフケアコース)

Q. ストレスに関する次の記述のうち、最も不適切なものを一つだけ選び、解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。


① ストレス要因に対する反応の仕方は、ストレスを受ける労働者一人ひとりによって大きく異なる。

② 「自分で仕事のやり方を決められない」という低コントロールの状態は、職場においてまず注意すべきリスク要因である。

③ 強いストレスを抱えている労働者は、仕事のモチベーションや職務生産性を低下させてしまう傾向がある。

④ 問題焦点型コーピングは、問題によって生じる否定的な情動を軽減しようとするコーピングである。


Ⅱ種(ラインケアコース)

Q. 部下のメンタルヘルス不調に気づくために、管理監督者が注目すべき内容に関する次の記述のうち、最も不適切なものを一つだけ選び、解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。


① メンタルヘルス不調は、部下の言動や態度の変化に注目していれば異常に気づくことが多い。

② 部下のメンタルヘルス不調に気づくには、「何か今までと違う」という部分に着目し、声をかけるなどの行動を起こすことが大切である。

③ 管理監督者は、部下がメンタルヘルス不調に陥っている場合、その状態がどの病名に当たるか特定することが望ましい。

④ メンタルヘルス不調では、病気であるか否かの医学的判断と、本人や周囲が困って治療を求めることとは、必ずしも一致しないことを理解しておくことが大切である。


Ⅰ種(マスターコース)

Q. 安全配慮義務に関する次の記述のうち、最も不適切なものを一つだけ選び、解答用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。


① 安全配慮義務違反に基づく責任については、消滅時効期間は10年である。

② 安全配慮義務に事業者が違反した場合、事業者は契約責任に基づき損害賠償義務を負担するが、それ以外にも、労働安全衛生法上の刑事罰が課されることもある。

③ 安全配慮義務については、1975年2月25日に言い渡された最高裁判決を契機に、労働基準法第5条で規定されるに至った。

④ 契約責任における安全配慮義務の内容と、不法行為責任における注意義務の内容との間に、実際には大きな差異はない。


答えは、 Ⅲ種:④ Ⅱ種:③ Ⅰ種:③ です。

正解できましたか??



試験は公式テキストの内容と、応用から出題されます。

コース別の公式テキストが全国の主要書店で販売されていますので、チェックしてみてください。


Q5 受験資格はあるの?


受験資格はなく、誰でも希望のコースを受験できます。

学歴・年齢・性別・国籍などの制限はありません。


Q6 受験者数はどのくらい?


平成29年度(2017年度)公開試験の受験者数は、3コース合計で3万1843人です。


公開試験の受験者数の推移を見てみると


平成28年度(2016年度) 3万3533人

平成27年度(2015年度) 3万532人

平成26年度(2014年度) 2万6770人

平成25年度(2013年度) 2万3254人

平成24年度(2012年度) 2万3435人

平成23年度(2011年度) 2万1617人

平成22年度(2010年度) 2万1204人


となっており、受験者は増加傾向にあります。


Q7 各コースの試験の合格基準と合格率は?


試験の合格基準と公開試験の合格率を見てみてみましょう。


【合格基準】

Ⅲ種(セルフケアコース):配点100点中 70点以上の得点

Ⅱ種(ラインケアコース):配点100点中 70点以上の得点

Ⅰ種(マスターコース) :①選択問題 100点②論述問題 50点 中

             ①②の得点の合計が105点以上。ただし、論述問題の得点が25点以上


【公開試験の合格率】

Ⅲ種(セルフケアコース):75.7~82.3%

Ⅱ種(ラインケアコース):49.3~76.7%

Ⅰ種(マスターコース) :11.7%~18.8%

※Ⅲ種、Ⅱ種は平成30年(2018年)3月に実施された第24回公開試験までの過去5回のデータから

※Ⅰ種は平成29年(2017年)11月の第23回公開試験までの過去5回のデータから


Ⅰ種になると、難易度がぐっと上がることがわかります。


Q8 受験日はいつ?


試験には公開試験と団体特別試験があります。


公開試験

年2回(Ⅰ種は年1回)、北海道から九州まで全国15都市の指定会場で一斉に実施しています。


≪2018年度の公開試験日程≫

【第25回】

試験日   :2018年11月4日(日)

実施コース :Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種

申し込み期間:2018年9月28日(金)まで

【第26回】

試験日   :2019年3月17日(日)

実施コース :Ⅱ種、Ⅲ種

申し込み期間:2019年1月9日(水)~2月8日(金)


団体特別試験

企業・団体・学校が、所属する従業員や職員、学生を対象に、メンタルヘルスケアの教育・研修の一環として実施します。

団体の都合にあわせて、日時、場所を設定できます。Ⅱ種とⅢ種が対象です。


Q9 合格後の流れは?


合格者のうち、希望者には合格証明書が発行されます。

発行手数料は1通1,230円です。


また、大阪商工会議所は、Ⅰ種合格者を対象にした「I種合格者フォーラム」(登録無料)を設置しています。

メンタルヘルス対策の最新情報やイベント開催のお知らせなどがメールマガジンで届きます。セミナーや交流会にも参加でき、合格後もスキルアップを図ることができます。


Q10 ほかのメンタルヘルスケア関連資格や研修との違いは?


職場のメンタルヘルスケアを学ぶことができる、ほかの資格や研修との違いはなんでしょうか。

メンタルヘルス・マネジメント検定の魅力は、受験資格が設けられておらず、誰でも受験できることです。


産業カウンセラーと心理相談員を例に挙げます。


産業カウンセラー

働く人たちが抱える問題を自ら解決できるよう援助する専門家です。

働く人と職場(組織)の両方を支援します。


一般社団法人日本産業カウンセラー協会が実施する資格試験を受験できる人は、協会の講座を修了した人か大学院研究科で心理学関係の特定の専攻を修了した人に限られています。

心理学やカウンセリングなどの技術や知識について一定の水準を求められているのです。

一般社団法人日本産業カウンセラー協会



心理相談員

職場のメンタルヘルス対策に必要な知識を学び、

心身に配慮した健康づくりについて理解している人に与えられる名称です。

事業主の自主的な労働災害防止活動を促進している「中央労働災害防止協会(中災防)」が実施する研修を修了した人が、心理相談員の名称を使えます。


対象者は、大学で心理や社会福祉、保健系の学科を卒業した人や、保健師の資格を持つ人、看護師、助産師、労働衛生コンサルタントの資格を持ち、健康に関する面接や相談の経験が一定以上ある人など、心理やカウンセリング、産業保健に関する知識や経験を持つ人に限られます。

中央労働災害防止協会/心理相談専門研修(心理相談員養成研修)



◇◇◇

一方、メンタルヘルス・マネジメント検定は、心理学や産業保健についての専門的な知識や経験はない人も受験できます。

職場のメンタルヘルスケアについて学びたいという方の基礎的な検定としておすすめです。


以上、メンタルヘルス・マネジメント検定試験について、よくある疑問についてお答えしました。

受験する皆さんの合格をお祈りしております!


▼ 産業医のご紹介から、選任後の実働支援までをワンストップで提供いたします

あわせて読みたい

企業のメンタルヘルス対応、休職前・休職中・復帰までの「最善」の対応とは

衛生管理者ってどんな資格?よくある疑問をQAで解説


☎ 03-6697-1660(受付時間 平日9:00~18:00)

サンポナビは、企業の産業保健(さんぎょうほけん)を応援するメディアです。
産業医サポートサービスを提供する、株式会社エムステージが運営しています。
産業医の選任、休職復職対応などでお困りの際は、お気軽にご相談ください

新着セミナー


週間ランキング
新着記事一覧
産業医インタビュー・コラム

☎ 03-6697-1660
(受付時間 平日9:00~18:00)