ストレスチェック制度の目的とは?

2015年12月より、50人以上の労働者がいる事業場で毎年1回の実施が義務づけられているストレスチェック制度 。義務化されたからやっているけれど、「そもそもなぜやるのか?」という理解は、あまり進んでいないのではないでしょうか。

そこで、今回はストレスチェック制度が生まれた背景とその目的についてお伝えします。


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<目次>

1.ストレスチェック制度が作られた背景

2.メンタルヘルス不調に対する3段階の予防策

3.ストレスチェック制度の目的

ストレスチェック制度が作られた背景

まずはストレスチェック制度が作られた背景についてご紹介します。

・厚生労働省が公開した平成28年度「過労死等の労災補償状況」によると、精神障害の労災補償の請求件数は5年前の1,257件から1,586件に増加、そのうち支給決定件数は498件と過去最高の件数。

厚生労働省の平成28年中における自殺の内訳では、被雇用者の自殺者が6,324人。

労働者健康状況調査では、職業生活におけるストレスに関する質問で、【仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある】と回答した労働者が平成19年調査では58.0%に対して、60.9%と増加。

以上の結果からも労働におけるメンタルヘルスの問題は非常に深刻であり、企業が即座に取り組むべき課題であると言えます。しかし、これまで企業側の積極的な対策が取られることは多くありませんでした

こうした背景を踏まえ、平成 26 年 6 月 25 日に公布された「労働安全衛生法の一部を改正する法律」(平成 26 年法律第 82 号)により、心理的な負担の程度を把握するための検査及びその結果に基づく面接指導の実施等を内容とした「ストレスチェック制度」が新たに創設されました。

企業がメンタルヘルスの問題に取り組むきっかけとして、ストレスチェック制度はスタートしたのです。


メンタルヘルス不調に対する3段階の予防策

メンタルヘルス不調を予防するためには、1次予防から3次予防まで、3つの段階があるといわれています。

1次予防:メンタルヘルスを未然防止する

メンタルヘルス不調が起こる前に、何らかの対策をとり、予防をする段階です。

従業員が自分自身のストレス状態に気づき、セルフケアを行う「個人としてのストレスマネジメント」と、ストレスの原因となっている「職場環境の改善」の2種類があります。ストレスチェック制度はこの1次予防にあたります


2次予防:メンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な措置を行う

不調者がいたら早めに発見し対応する段階です。

従業員自身が自分の状態に気づき自発的に相談したり、いつもと違う同僚や部下の様子に周囲の人が気づくことで、産業医面談、医療機関への受診などの適切な措置を行います。

メンタルヘルス不調は発見が遅れるほど、改善に時間がかかるため、手遅れになる前に早い段階で支援を行い、本格的な不調に陥ることのないよう対策を講じることが重要です。


3次予防:メンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰支援等を行う

メンタルヘルス不調となって休職してしまった社員に、職場支援などを行う段階です。

残念ながら休職となってしまった場合も、復職をゴールに見据えた3次予防に取り組むことで、復職後の再休職を防止していきます。


ストレスチェック制度の目的

ストレスチェック制度の主目的は、「メンタルヘルス不調の未然防止」である1次予防です。

ストレスチェックによって、労働者のストレス状況を把握することが目的であると捉えられがちですが、本来の目的は、労働者個人のストレスに対する気づきを促すことや、職場環境の改善をすることで「メンタルヘルス不調者を出さないよう未然に防止すること」であり、労働者のストレス状況を把握するのみではないのです。

また、ストレスチェック制度の基本的な考え方として、厚生労働省のマニュアルでは以下のようにも 記載されています。

事業者は、ストレスチェック制度が、メンタルヘルス不調の未然防止だけでなく、従業員のストレス状況の改善及び働きやすい職場の実現を通じて生産性の向上にもつながるものであることに留意し、事業経営の一環として、積極的に本制度の活用を進めていくことが望ましい。

厚生労働省『労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル』より抜粋

以上を踏まえストレスチェック制度の目的を簡潔にまとめると、以下の3点です。

  1. 全ての事業場がメンタルヘルス対策を実施すること
  2. メンタルヘルス不調の未然防止(1次予防)をすること
  3. 働きやすい職場の実現により生産性向上につなげること

個々の従業員がどのようなストレス状態にあるかを把握することも大切ですが、未然に不調の芽を摘むこと、さらには不調を起こさない職場環境づくりに繋げていくことが重要です。そのためには、結果の活用方法がキモとなってきます。


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